
パン屋さんのまみむめも。
これは、パンやパン屋さん、パン職人にまつわるあれこれを50音に絡めて紹介しているシリーズです。
これまでの記事も併せてご覧いただき、パン屋さんのことを「へー」と知っていただけたら嬉しいです。
これまでの記事:パン屋さんのあいうえお
パン屋さんのかきくけこ
パン屋さんのさしすせそ
パン屋さんのたちつてと
パン屋さんのなにぬねの
パン屋さんのはひふへほ
「ま」ち(待ち)時間が楽しい

パン屋さんのまみむめも、「ま」。
製パンの楽しさのひとつに「ま」ち(待ち)時間があります。
捏ねて作った生地がどんな風に変わっていくのか。
万が一にでも発酵しないなんてことになったら、びっくり大慌てしますが、
それはそれでパン作りの面白さです。
なにより、一次発酵の時間がなければそれにも気づくことができません。
まぁ、そんな稀にある失敗よりも、うまくいくことが何よりも楽しいんですけどね。
膨らんでいく生地は、発酵で香りが変わっていくことにわくわくします。
「ま」ち(待ち)時間に、他のことをしていることもあれば、次の工程を考えていることもあります。
参考記事:イーストと発酵のはなし
二次発酵(ホイロ)のはなし
パン屋さんは「マ」イペース
パン屋さん(パン職人)は、パン生地に合わせて行動しているので、
常に臨機応変さが求められます。
主役のパン生地が「マ」イペースであるため、作る人も必然的に「マ」イペースな人格になっていきます。
あるいは、「マ」イペースな人がこの仕事に向いています(^^♪

ちなみにパン職人は
「ま」え(前)向きな人が多いです!
パンの「み」み(耳)

パン屋さんのまみむめも、「み」。
日本では食パンの端っこ部分を「み」み(耳)と言います。
なぜパンの「み」み(耳)と言うのか、不思議に思ったことはありませんか?
これ、日本だけなんです。
昔から端っこのことを「み」み(耳)と言っていたから、パンも「み」み(耳)と呼ばれたようです。
織物(生地)の耳、本(ページ)の耳、せんべいの耳と同じ使い方です。
ちなみに、アメリカではクラスト(皮)、フランスではクルート(皮)、中国ではミェン(面)と呼ばれます。
正式名称は「外相」「外皮」と言います。

正式名称は
全然かわいくないですね。
パンの作業は「み」ぎ(右)利きがポピュラー

実はわたし、パンの作業が左利きです。
通常、「み」ぎ(右)も左も教えられずに、自分のやりやすいように習得します。
わたしもそうでした。
パンの成型の基本でよく使う『コッペの成型』の写真(わたしです)を見ていただきましたが、
わたしは左手で生地をとじる(押さえる)動きをしています。
多くの人はこれを「み」ぎ(右)手でやります。
わたしと向かい合わせで同じ作業をすると、鏡合わせになります。
パン学校で、先生に「あれ?左利き?」と言われて判明しました。
おまけのはなし、鉛筆やお箸は「み」ぎ(右)利きですが、券売機・自販機・自動改札などはそういえば左手を使います。
※左利きの人は気づいていますが、券売機・自販機・自動改札は「み」ぎ(右)利き仕様です。

そういえば、高校時代の被服科の先生に
「あなた、「み」ぎで針を持ってるのに、針の進む向きが左利きでめずらしいわね」
と言われたことがあります。
パンに「む」(夢)中

パン屋さんのまみむめも、「む」。
結局、パン職人はパンに「む」(夢)中なんです。
パン職人という職業は、好きなだけじゃできないけれど、好きじゃなければ続けられません。
最近は、わたしも含めてパン好きさん・パン作り好きさんにもいろんな表現ができて、
共有したり、分かち合えることができるので楽しいです。
パンに「む」(夢)中な人は世の中にたーくさんいるので、今後もわたしにできる表現で
パンとパン屋さんとパン職人を応援していきたいと思います♪
パンの「め」目

パン屋さんのまみむめも、「め」。
実は、パンには「み」み(耳)のみならず、「め」(目)まであります。
パンの「め」目は、織物の生地の「め」目と同じく、詰まってるとか粗いとかで表現します。
何のことかと言うと、パンの身(クラム)の中の気泡をさしています。
だから、「め」目は1つや2つではないんです。
パンの出来の良し悪しを見るのが、パンの「め」目です。
縦に伸びたツヤのある細かい「め」目が成功の証です。
「も」しもパン職人にならなかったら…

パン屋さんのまみむめも、「も」。
「も」しもパン職人にならなかったら…と考えることはありません。
わたしのパン職人期間は10年位で短命でした。
それでも、「も」しもパン職人をやめなかったら…とも考えません。
こちらは、続けられない状況で納得して転職したからかもしれませんが。
ただ、ふり返って思うことは、高校卒業後にパンの専門学校に行かせてもらえたこと、
さらにパン留学でフランスの専門学校で学ばせてもらったこと、
チャンスを活かして開業したことなどは、10~20代で経験できてよかったです。
パン業界の後はアパレルの販売員10年、営業や運営サイドの仕事、事務職兼販売…と異業種にいます。
それでも、自分の食物アレルギーや、周囲にパン好きさんの多いことなどから、
「も」と(元)パン職人でよかったと思います。
逆に「も」しもパン職人じゃなかったら大変だったろうな、と思います。
今でもパンに「む」(夢)中のままです。
参考記事:パン留学 準備~到着編
帰国後の職場 ありがとうチャンセロチャンセーラ
おうちでパン屋さん(開店準備のはなし)
パン屋さんの開業のはなし
パン屋さんの閉店のはなし
食物アレルギーのはなし
まとめ

パン屋さんのまみむめも。
今日は「パン作りは『ま』いかい(毎回)ちがうので、『ま』なぶ(学ぶ)ことも多くて飽きないよ」
「『み』ぎ(右)利きだって左利きだって不便はないのでご安心を!ただ、わたしの写真に違和感があったらと思い告白してみたよ」
「パンの『み』み(耳)、やバタールの端っこが好きな人とは、端の取り合いになるけど、パンの好みが似ていることが多いよ」
「今後もパンとパン屋さんから『め』(目)が離せない!」
「『も』しもチャンスがあれば、そりゃぁまたパン屋さんをやりたい“気持ちだけ”は持ってるよ」というおはなしでした。
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