パン作りでなくてはならないものは『酵母(イースト)』と『発酵』です。
作る人のみならず“パン食べ専門”の人にも、発酵についてはちょっとだけ知っていただきたいです。
なぜなら、出来上がりのパンを見て発酵状態がよかったかどうかわかるからです。
パンの工程
パンの工程のどこに『発酵』は出てくるものなのでしょうか?
まずは工程表をご覧ください。
①~⑩ある中で、なんと③一次発酵~⑨焼成までの間で『発酵』は起こっています。
「⑨焼成も?」と思いますよね。
そうなんです、イースト菌は50℃を超えると死滅します。
だから、オーブンに入ってしばらくは生きて
最後の仕事をするのです!
これを『窯のび』と言います♪
発酵ってなぁに?
そもそも『発酵』は何かと言うと…
小麦粉を捏ねた時に混ざったイースト菌が、パン生地の中で増えていきます。
ただ増えるのではなくて、
増える時に小麦粉の糖分を分解して、『炭酸ガスとアルコール』に変えていきます。
これが『発酵』です。
なんで発酵すると膨らむの?
パン生地には、小麦粉と水をあわせて捏ねた時にできるグルテン(タンパク質)があります。
この粘り気あるグルテンの中に、『発酵』によってできたガスが閉じ込められます。
グルテンのはなしはこちらをご覧ください♪
『発酵』が進む=イースト菌が増える=ガスが増える=生地がふくらむ
イースト菌ってなぁに?
酵母;Yeast (イースト)=植物性の微生物
自然界にある多種多様な菌(バクテリアに近い酵母菌の一種)のうち
製パンに適したものを果実や穀類から分離して純粋培養で増やしたもの
イーストの詳しいはなしはまた今度…♪
参考記事:イーストの実験
イーストの種類と歴史のはなし
どうして何回にも分けて発酵させるの?
イースト使用のパン生地に限らず、ホットケーキ生地(ベーキングパウダー使用)や、
クレープやお好み焼き生地(膨張剤不使用)なども、混ぜてしばらく経つと生地が滑らかになります。
放っておきたいところですが、パンを作る工程上、分割や成型は欠かせません。
また、分割や成型時にうけた生地のダメージ回復のために休ませることで、
↓このようなメリットがあります!
①グルテンが柔らかくなる…この繰り返しで縦にのびるようになる
②アルコールや有機酸などの生成
③イーストと酸素の活性化
つまり、発酵はおいしいパンにするために必要な時間なのです!
発酵良好パンの見分け方
このパンの78点の理由はなんでしょうか…
写真の食パンは二次発酵過多です。
型に合った生地分量ではなく、小さな生地玉にしたのでかなり二次発酵で粘りました。
一見、角食らしくなっていますが、底は角張り、底と上下の気泡に差があります。
何よりも「肌荒れ」していますね。
お店で売られているものは中身が見えませんが、外側の肌質を見るとある程度わかります。
まとめ
パンは温度低めでゆっくり発酵させるのがおいしくなりますが、
あくまでも適温と相応の時間を守るのが大切です。
今日は「パン作りはイーストという生き物の管理なんだよ」というお話でした。
うちはペット禁止なんですが、
わたしはずっと生イーストを飼っています…( *´艸`)
コメント