グラハム粉は全粒粉の一種で、強力小麦をひきわりにしたものです。
普通の小麦粉とちがって、胚芽を取り除かないで製粉するためビタミンB群やE、ミネラル、食物繊維を豊富に含みます。
全粒粉とグラハム粉のちがい
全粒粉
▣全粒粉…小麦の表皮(ブラン)・胚芽・胚乳をすべて粉にした小麦粉
□特徴…表皮と胚芽からくる「芳ばしさ」「歯ごたえある食感」
■パンに使用…独特の香り、ほのかな酸味、コクが楽しめる
グラハム粉
▣グラハム粉…粗びきした小麦粉で全粒粉よりも粗く、製粉中にふるいにかけない
□特徴…「ザラザラした食感」
■パンに使用…パンの表面の材料として使うと独特の食感を楽しめる
小麦胚芽
▣小麦胚芽…小麦粒の2%に相当する胚芽(成長すると芽になる)部分
□特徴…小麦の中で最も栄養素が多く含まれている部分である
■使用の効果…疲労回復効果、老化抑制効果、美肌効果、持久力を高める効果
グラハムの由来
1839年、アメリカのシルベスター・グラハム牧師が、小麦を粒ごと粉にして食べることを推奨したため、牧師の名がつきました。
菜食禁酒主義であったグラハム牧師は、製粉と食生活を改革することがアメリカ人の健康不良の救済になると考えていました。
ですから、白いパンを作るための小麦粉の製粉過程で、胚芽やぬかなどの栄養素を捨てることに目をとめて改善を求めました。
その結果として、グラハム牧師に感化されたグラハミズムの人たちによって、
健康に良いとされたグラハムクラッカーやグラハムブレッドが作られました。
グラハム牧師は、
『おうちでパンを作るように』とも言っていたらしいです。
わたし、気が合いそう…(*´з`)
全粒粉を用いたパンの名称
グラハム粉や全粒粉を使用したパンは様々あります。
英語で“グラハムブレッド(GRAHAM BREAD)”または“ホールホィートブレッド(WHOLE-WHEAT BREAD)”と呼ばれ、
フランス語では“パン・コンプレ(PAIN COMPLET)”、
ドイツ語では“フォルコンブロート(VOLLKORN BROT)”と呼ばれます。
ただし、正確にはグラハムブレッドはグラハム粉100%使用のパンを指します。
同じくパン・コンプレ、フォルコンブロートも全粒粉100%使用のものを指します。
参考:本日のパン2022.4.16 全粒粉パン(PAIN COMPET)
全粒粉パン(グラハムブレッド)に合うもの
グラハム粉や全粒粉のパーセンテージが高い配合のパンは、ちょっとすっぱいものや塩味の効いたものが合います。
北欧ではサーモンにオニオンスライス、ドイツではザワークラフトやサラミ、ソーセージ、
フランスでは魚介に合わせます。
チーズはプロセスチーズよりも、フレッシュ系のカッテージチーズやクリームチーズが合います。
これに比べて、グラハム粉や全粒粉のパーセンテージが低い配合のパンは、白いパンと同じように合わせて大丈夫です。
全粒粉(小麦)はお米でいう玄米なので、
玄米とおかずの組合せでイメージするとわかりやすいかもしれません。
全粒粉と玄米は、コクや食感は感覚的に似ています
グラハム粉と全粒粉のパン
同じ全粒粉の仲間ですが、グラハム粉と全粒粉ではパン生地になる段階で多少の差があります。
白い小麦粉と比較すると、グルテンを形成しやすいのは【小麦粉⇒全粒粉⇒グラハム粉】の順です。
表皮(ブラン)と胚芽部分が入っているグラハム粉や全粒粉は、水と混ぜて生地にするときにグルテン形成を邪魔をしてしまうわけです。
それでも、グラハム粉と全粒粉(小麦粉)はグルテンができますので、100%使用でパンが作れます。
しかし、ふっくらパンにするには、白い小麦粉と併用することになります。
グラハム粉
グラハム粉をパンに使用するときは、強力粉またはフランス粉(準強力粉)の併用をおすすめします。
特に日本では食べ慣れていないということもありますが…。
日本人向きに考えると、小麦粉70%にグラハム粉30%程度を混入させるのが良いです。
もし、それ以上増やしたい場合は油脂を増量すると食べやすくなります。
グラハム粉は使用する前に、
同量の水に30分以上浸透させてから使用すると、
口どけがよくなりますよ(^^♪
参考:本日のパン2022.6.22 グラハムブレッド・ウォールナッツ(全粒粉)ベーグル
グラハム粉&全粒粉 まとめ
グラハム粉や全粒粉の味を知ってしまうと、ある一定期間口にしないと“食べたい~”っと禁断症状が出ます。笑
同じ黒パン仲間のライ麦パンとはまた、恋しさがちがうんですよね。
今日は「全粒粉は少し加えるだけでパンの表面にも表情が出るよ」「グラハム粉は芳ばしさや食感が変わるのでアレンジにも向いているよ」というおはなしでした。
ライ麦の全粒粉もあるので
お買い物の際は表示にお気をつけください♪
また、わたしのグラハムブレッド&ウォールナッツベーグル(全粒粉使用)は
こちらからご覧ください♪↓↓↓
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