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パン屋さんの開業のはなし

パン屋さんの開業;プチペのパン 開店
パン屋さんの開業;オープン初日
オープン初日;パン職人仲間と

今から25年前の1997年12月に誕生したパン屋さんの開業のおはなしです。

日本の製パン学校を卒業して、フランスで2年間語学とパンを学んで帰国した後、

1年と数か月の間、茨城県水戸市のレストランで働きました。

レストランでパンを焼かせてもらったことがきっかけで、やっぱりもっとちゃんとパン職人として生きていく!とレストランを辞めました。

辞めてすぐに自宅でパン焼きをしていたら、ご近所さんから「パンを売ってちょうだい」と言われるようになり、

おうちのパン屋さんをはじめました。

参考記事:母校は東京製菓学校 (1993ー1994)
     パン留学 準備~到着編 (1994)
     パン留学 語学学校~受験編 (1994ー1995)
     パン留学 INBP~帰国編  (1995ー1996)
     帰国後の職場 チャンセロチャンセーラ (1996ー1997)
     開業準備 おうちでパン屋さん (1997)
     パン屋さんの閉店のはなし(2001)

おうちのパン屋さんでの出会い

パン屋さんの開業のはなし;すだれ
おうちのパン屋さん

わたしは、生まれは大阪・あちこち育ちの家庭でした。

あちこち育ちと言うのは、父の仕事の都合で2年に一度引越しをしていたということです。

大阪ー兵庫ー岡山ー広島ー神奈川(ここだけ家の引越しはなく10年同じ住所)…そしてわたしが専門学校を卒業したら、茨城に転居。

そんなわけで帰国後の就職先は、勝手知ったる神奈川あるいは東京でと思っていたわけです。

しかし、レストランとの良き出会いがあり、そのまま茨城に留まりました。

レストランを辞めたのは7月でしたので、またもや南関東での就職のタイミングをのがし、毎日おうちでパンを焼くところから始めました。

そうしておうちのパン屋さんが始まったのですが、はじめてしばらく経った9月初めのことです。

たまにパンを買いに来てくれる知人から、切り抜きを手渡されました。

「もっとちゃんとあなたのパンが食べたいから、お店をやってちょうだい!」

渡された切り抜きは、パン屋さんの居抜き物件の記事でした。

問合せと見学

パン屋さんの開業;切り抜き
切り抜き記事とリスト
パン屋さんの開業;ミキサー
ミキサーと製氷機
パン屋さんの開業;ホイロ機
ホイロ機
パン屋さんの開業;オーブン
3段オーブン

切り抜きには「焼きたてパン店居抜きで売ります【超格安】価格はご相談ください」とありました。

ながめていても仕方ないので、すぐに電話をしました。

持ち主はKさん。息子さんが看板をおろすので、超特価(こちらの予算にあわせる)で譲渡したいという話でした。

翌週会って話をすることと、お店を見せてもらうという約束をしました。

1週間後、台風で大雨の中でしたが、実際に現地に行き話を聞きました。

Kさんが用意してくださった手書きのリストを見ながら、一軒家の工房見学しました。

状況とKさんサイドの要望(具体的な金額など)を聞いて、『少し考えたい』と伝えてこの日は終了しました。

1週間の考え事

パン屋さんの開業;譲渡証下書き
契約書のサンプル
パン屋さんの開業;間取り店舗
間取りラフ;店舗
パン屋さんの開業;間取り工房
ラフレイアウト;工房

考えることは山のようにありました。

とにかく、機械が古くて使えるものが少なかったんです。そして、未使用期間が長かったとみえて建物も機械もあまり良い状態には見えませんでした。

ですから、再生できるのか?割に合った金額なのか?を筆頭に、やっていけるのか?と考えました。

そして、「機械・備品の売買」だけではなく、打ち明けられた「借家権の譲渡」についても知識がなかったので不安でした。

交渉と決断

パン屋さんの開業;改装前のお店
改装前のお店

わたしは23歳でしたので、父に相談にのって(重要な契約時には同席して)もらいながら話を進めました。

思うままに譲りたいKさん親子の意図はわかっても、なんでもかんでも言いなりにならないようによく考えました。

時には母校(東京製菓)にも相談にのってもらいました。

細かな内容でパン科の先生が答えられないようなことも、そのジャンルの方につないでもらって結論を出すことができました。

他には、パン科のクラスメイトのお父さんたち(パン職人の大先輩!)にも相談にのってもらいました。

とても心強かったです。

このような助言者たちに支えられて、ついに10月にOKすることを決断しました。

プチペ
プチペ

この間、何度かKさんに会ったり

再度工房に行ったりもしています。

パン屋さんの開店準備

パン屋さんの開業;食品衛生許可
食品衛生責任者許可
パン屋さんの開業;パン棚ペンキ塗り
パン棚;ペンキ塗り
(写真はオープン後)
パン屋さんの開業;パン棚コルク貼り
パン棚;ペンキ塗り&コルク貼り
(写真はオープン後)

10月上旬にKさんとの仮契約を済ませ、11月頭に本契約をしました。

同時進行でやらなくてはいけないことがたくさんありました。

保健所へ行く

保健所で確認したことは下記の⑴から⑶です。(10月初旬)

⑴施設の設備について

⑵必要な許可は何か?

飲食店業の許可・菓子製パン業の許可・食品衛生管理者

クッキーの仕入&販売許可(叔母のクッキーハウスのクッキーを取り扱うため)

⑶審査や検査について…申請書類を出すと登録される。検査は営業できるようになったら検査員が派遣される。

プチペ
プチペ

書類をもらって帰宅しました

後日の検査で(10月後半)、換気扇にフードがないことを指摘され、業者に取り付け依頼をします。

また、営業許可をもらうには早すぎるのでタイミングを見計らいました。

《保健所でわかったこと》

・Kさんの廃業届が出されていない⇒Kさんに依頼 (10月後半)

・食品管理責任者の変更届が必要(Kさん→わたし)

市役所

市役所に新規開業・融資の件で問合せしましたが、市役所では新規の融資の取り扱いがないと言われました。

商工会議所

市役所同様に、新規の店舗には融資できないと言われました。

国民生活金融公庫(通称コッキン)

コッキンは現在の日本政策金融公庫のことです。

まずは電話で問合せして書類を郵送してもらいました。(10月半ば)

書類に必要事項を記入し提出すると、担当者から連絡があり面談日が知らされます(11月初旬)。

《面談時に必要だったもの》

・機械や備品でKさん所有は何かわかるもの(Kさん手書きリスト)

・原価率はどうやって算出したか?

・保証人(父)とわたしの通帳

・運転免許証

・すでに支払い済みの領収証(仮契約時の前金)

・店と工場の様子がわかるもの

・家具の予算部分の明細

・印鑑

面談日は、全ての書類の確認と説明のやりとりをして「融資できるだろう」と言われました。

面談後に保証人(父)に連絡がいき、4日後に現地確認がありました。

プチペ
プチペ

次に用意するものは

・印鑑証明(保証人・わたし)

・通帳

検討しておくようにいわれたのは

・引き落とし日をいつにするか?

・生命保険に加入するか?

その後は、借用書・営業許可証の提出くらいです。(11月中旬)

返済は5年で組みました。

銀行

銀行でルプチペパン名義の口座を作りました。(11月初旬)

外装

パン屋さんの開業;ステッカー
外装発注詳細
パン屋さんの開業;外装発注回答
外装発注;回答
パン屋さんの開業;テントとステッカー
テントとステッカー

赤いテントからプチペのイメージカラー黄色に変えました。(11月中旬)

ロゴはわたしの手書きのものを採用しました。

内装

パン棚も赤かったので、グリーンのペンキを自分で塗り、2台のうちの1台は側面にコルクを貼りました。(11月初旬~中旬完成)

レイアウトは営業しながら何度か変えました。

自分の部屋のような雑貨屋さんのような、そんな内装にしました。

業者さん選び

パンの原材料ラッピング用品・紙材などの業者は、レストランのオーナーやKさんの紹介などの中から選びました。

また、定期的な害虫駆除も依頼しました。

税務署

税務署には開業届の提出をします。

青色申告書(給与・所得税)用紙をもらいました。

プチペ
プチペ

開業してから2ヶ月以内に提出します

備品準備

パン屋さんの開業;メニュー表
メニュー表
パン屋さんの開業;プチペカード
プチペカード
パン屋さんの開業;プチペポストカード
プチペのポストカード

ご近所にチラシ配布をしたり、知人に渡したり、ポストカードで知らせたりしました。

当時はSNSがあまりないのでとてもアナログです。

参考:パン屋さんの包装紙

その他

お会計で使うレジスターや、USEN(途中で解約しました)なども用意し、設定しました。

また、ガス・電気・電話など変更手続き、立会いがありました。

参考:パン屋さんのお会計

本契約

パン屋さんの開業;オーブン火入れ
オーブン火入れ

11月の頭にようやく、【家主】とKさんとわたしの3者で会うことができて、最終確認を行い本契約に進みました。

10月の半ば過ぎからは、鍵の譲渡がされていたので、ガス電気を入れた後はオーブンの火入れも開始します。

長らく使われていなかったオーブンが目を覚ますには、ちょっと時間がかかりました。

また、ガス電気が通ると「聞いてたことと違う」という細かいトラブルが発生して、

Kさんとの交渉も続き本契約までは気が抜けませんでした。

オープン初日

パン屋さんの開業;オープン初日
オープン初日;仲間の応援
パン屋さんの開業;オープン初日
心の友

そんなこんなでみなさまに助けてもらって準備し、ついに12月にプチペはオープンしました!

初日はパン科で同じ班だった友だちが終日手伝ってくれました。

彼らは現在も、愛媛と佐賀でそれぞれのお店を持ちパン職人を続けています。

たまにしか連絡をとらないので、口先だけの“心の友”ですが、今でも仲良しです。

また、彼らだけではなくパン科の友だちは続々と全国各地から来てくれました。

プチペ
プチペ

来る時はだいたいみんな白衣を持参して、

工房に入って手伝ってくれました(^^♪

パン工房さかもと…佐賀県嬉野市 HPはこちら Instagramはこちら
TOYS BREAD FACTORY(トイズブレッドファクトリー)…愛媛県松山市 Instagramはこちら LINE PLACEはこちら

パン屋さんの開業 まとめ

開業のはなし;パン屋さん外観
開業のはなし;メニュー看板
パンの焼き上がり看板
開業のはなし;母と娘
開業後、力になってくれた母

通常、パン屋さん開業するとなると資金は1,000万円以上必要です。

わたしはその半分以下で開業しました。

あの時期に茨城にいたからこそできたことでした。

そして、実家暮らしだったこともあって両親も好意的に応援してくれ、

表立って力になって一緒に動いてくれたのでできたことだと思います。心から感謝♪

こうして、水戸市でパン屋さんが楽しく始まったのでした。

今日は「パン屋さんの開業資金は通常1,000万円以上かかるよ」

「各所の手続きはわかってしまえば簡単だよ」「支えてもらえるってありがたい」というおはなしでした。

プチペ
プチペ

現在この場所にパン屋さんはありませんし、プチペもありません。

また、内容は全て1997年現在の水戸市のものですので現代または各自治体によって違いがあるかもしれません。

※開業資金の目安については今も同じです。

それでも、何かの参考にしていただけたら嬉しいです。

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開店
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