
フランス留学、日本のパンの専門学校在学中からフランスに行くことを決めていました。
今日は留学のきっかけから準備、そして到着して最初にやることまでのお話です。
留学 きっかけはフランスパン
東京製菓学校に在学中は、最初の基礎の学びを終えると、
どんどんレシピと作り方が公開されていき、何百種類ものパンを教わります。
関連記事:母校は東京製菓学校 パン本科(1993-1994)
パン学生の頃はパン屋めぐりを意識的にしていました。
わたしの好きなパンは“リーンな食事パン”だという傾向がわかってくると
フランスパンやドイツパン、天然酵母のパン屋さんへと足を運ぶようになります。
学校での実習とパン屋めぐりで感じたことは同じでした。
「おいしいドイツパンや天然酵母のパンはわりとあるけれど、
おいしいフランスパンはあまりない…」
そんな頃、学校で1ヵ月間フランスのパン学校の先生が来てくれました。
教えてもらって作るパンが全部おいしいんです!!
「これはわたしがフランスに行って、やるっきゃないな!」と思ってしまったのでした。

留学先の選び方

なにしろ20年以上前の話ですからね、
今とは全然情報収集の仕方がちがうんです。
①学校に聞いてみた
⇒製菓製パンの専門学校ですから、過去に誰かしら行ってるのではないかと。
ところがいなかったんですね。年1で来るフランス人講師以外のヒントはもらえませんでした。
②留学の本を買ってみた
⇒当時《パリで1~2週間日本語の通訳付きで製パン実習ができるコース》がありました。
そんなんじゃ絶対に満足できないと思ったんですね。
日本語じゃなくていいからがっつり学びたかったんです。
③フランス大使館に行ってみた(要予約)
⇒留学先のヒント探しと留学するにあたり知っておかなければいけないこと探しのためでした。
フランス国立の製菓製パン学校(I.N.B.P)を見つけました。

そしてこれは、
東京製菓学校に年1で来るフランス人講師のいる学校の系列校だったんです。
実習でおいしいフランスパンを教えてくれていたのでここに決めました!
アクション AIRMAILで資料請求

1990年代ですからね、AIRMAILです。
自宅に届いたびっしりフランス語の資料を見てワクワクしました♪
辞書を片手に読み進めていってわかったこと…
受験しなきゃいけないんだ…Σ(゚д゚lll)!
そこはパン職人が必ず持っていなくてはいけない国家資格CAPを取得するための学校でした。
希望者が誰でも入れるわけじゃないんですね。
幸い留学生の枠がありました。その点は一安心。
でも留学生に何かの免除があるわけではありません。
受験科目は、フランス語(国語)、数学、性格適正検査など。(え?性格?!)
そしてもちろん受験時期というものがあります。
「すぐに入学できないんだ…」
同時に、わたしは自分の語学力では受験できない…ということに気付いたのです。
留学目標が決まったら やること その1

まずは語学力ですよ。
実はフランス留学に志を持つ前から、公文式でフランス語を始めていました。
こどもの頃から公文が好きで、算数・数学・英語・フランス語…やめたり増やしたりしてたんですね。
なので実習合間に公文のフランス語をやっていたら、例のフランス人の先生から声をかけられました。
「フランスにパンの勉強に行きたいんだ」と伝えると「C’est bon!」と歓迎モード(^^♪

余談ですがこの先生とは1年半後に
I.N.B.Pの学食で「おー!本当に来たのかぁ!」と喜びの再会を果たしました♪
(先生は高等科の教師でカリキュラムもスケジュールも一緒になることはなかったのです)
公文の他に耳を慣らそうと思い、アテネ・フランセにも通いました。
東京日仏学院(現アンスティチュ・フランセ東京)もありましたが、これはなんとなくで決めてしまいました。
留学目標が決まったら やること その2

フランスのどこに行って何をするのか、具体的な計画を立てなければなりません。
わたしは逆算しました。
①目標 I.N.B.P入学⇐I.N.B.P合格⇐I.N.B.P受験⇐語学習得⇐語学学校入学
②環境 I.N.B.PはROUEN(ノルマンディ地方ルーアン)にある⇐最初からROUENに住む
③住まい I.N.B.Pは寮のようなアパルトマン契約ができる⇐慣れるまではホームステイ
結論:Rouenにある外国人用の語学学校を探し、ホームステイを申し込む
というわけで、語学学校ALLIANCE FRANCAISE ROUEN(アリアンス・フランセーズ・ルーアン)を選んだのです。
アリアンスフランセーズに依頼するとホームステイ先を探してくれました。

これは留学の本で調べました。
I.N.B.Pの資料請求の時同様にAIRMAILのやりとりでした。
つまり、I.N.B.Pの受験は現地に行ってから、という強気の計画でした。
渡仏 旅立ち! 荷物は欲張らない方がいいらしい…
旅立ち前にやっておくべきこと
・パスポート(当たり前)
・国際免許証(全く使わなかったので要らない)
・歯の治療(海外でトラブルは面倒だし、空の旅は歯に来る)
・片道航空券(飛行時間は14時間だがエコノミーで十分)
・手荷物の重量(思いを詰め込むと検査でひっかかる)



成田空港で出発前に何が大変だったって…
荷物の重量がオーバーし過ぎで焦りました(;’∀’)
減らしたり、船便をつくったり…
それでも、愛ある優しい友人たちに囲まれて、なんとか出国できました!
わたしが乗った飛行機の離陸を見ながら
「アイツ、ほんまに行きよったなぁ…」と父がつぶやいたと後で聞きました。
家で禁じられていた運転免許を勝手に取得した時も驚かせましたね、ごめんなさい。
空の上でのハプニング その1

飛行機に乗ってホッとしたのも束の間、
「あれ?シャルルドゴール空港についてからどうするんだっけ?」
そうなんです。これ、なんにも調べてなかったんです。
「あれ?ホストファミリーのうちってどこだっけ?住所もらったっけ?」
勝手に映画みたいに空港に誰かが迎えに来てくれることを考えていて、
それが妄想だったことに気付いたので青ざめました(・_・;)
スマホのない時代です。
考えて考えて…乗り換えの時に電話するしかない!と決めました。
誰に?…会ったことがないパリに住んでいる人(親戚の仕事関係の方)にです。

まさか「困った時はこの人に電話してみなよ」と渡された番号に
フランスに着く前にかけることになるとは思いもしなかったです。
空の上で一人になってセンチメンタルな気分になってる暇はありませんでした。
乗り換えのハプニング 公衆電話

香港だったと思いますが、生きた心地がしないまま飛行機を降りました。
乗り換え時間は短かったはず。
ミッションを終了させないと後がない!ところが…
・漢字だらけでわけがわからない
・やっと見つけた公衆電話は長蛇の列
・順番がきたのに使い方がわからない(親切な人にやってもらった)
・フランスの時刻も配慮できない状況で親戚の知人にSOS入電(香港とフランスの時差6時間)
・短時間で状況説明(背後にも長い列で何語かわからないけど急かされる)
電話を切って、迷いながら難しい漢字を解釈しながら、
搭乗口に無事到着。
あとは祈るのみ…。
空の上のハプニング その2
ホッとしたんでしょうね。
ちょっとはにこにこしていたのかもしれません。
知らないイタリア人男性が…しつこい”(-“”-)”
男性のCAさんが助けに来て、到着まで守ってくれました。
フランス シャルルドゴール空港到着!
空港に着いたら、
わたしの名前を持って待ってくれている人がいました。
乗り合いタクシーでかなりの距離を走り、
(ParisからROUENまでは東京から茨城くらい北上します)
ホームステイ先の家の前で降ろされました。
わたしが空にいる間に全ての手配をしてくださったあの方に感謝。
神様ありがとう。

※ホームステイ先の住所は、わたしがフランス入りした後で日本の実家にAIRMAILで届きました…
ホームステイのはじまり ビザの申請
めでたしめでたし…
ではなく、着いたらやることがたくさんあるんです。
※初日にやる必要はありません
・ビザの申請⇒県庁に申請に行きます。
・銀行口座を作る(小切手の時代でした)⇒アポイントを取って銀行に通います。アポイントを取るためにアポイントを取ったり…コント?と思いましたがフランスはアポイントの国でした。
・バスのカードを買う(これは昔の話)…当時はあると便利な必須アイテムでした
・テレフォンカードを買う(これも昔の話)
こうしてようやく笑顔で出迎えてくれたHélène(エレーヌ)との
楽しいホストファミリー生活が始まったのでした。
なお、現在のフランスは入国規制があります。
ワクチン接種に関するルールも国独自のものがあります。
詳しくはフランス政府のHP(フランス語)でご確認ください。


今回はフランス留学のきっかけから入国までの体験談でした。
参考になれば嬉しいです。
準備をしていても抜けはありますし、
困った時は助け手があらわれて、感謝が尽きません。
生きてるってスバラシイ!!





このままだと情報は古いけれど
役に立てることがあったらいいなと思います(^^♪
コメント
空の上で嫌なこと思い出しましたね。
ゾクゾクする。
こんにちは。
コメントありがとうございます。
ドキドキハラハラの大冒険でした!
ホント、良い思い出です♪