
キッチンカーでお買い物をしたことはありますか?
駅周辺や、オフィスビル周辺の昼下がり、総合病院付近、ドラッグストアやスーパーの駐車場、
駅から離れた住宅街、音楽フェス、観光地…。
見かけると「へ~。こんなところに?!」と興味が湧いて、近くまで見に行くのはわたしだけでしょうか。
各地の災害支援やコロナ渦のランチタイムなど、近年の需要の高まりでメディアでもとりあげられる機会が増えています。
移動販売車

30年位前は、キッチンカーという名前はまだありませんでした。
当時のわたしの思い出は、決まった曜日にやって来るスーパーの「移動販売」と、ふいにやって来る石焼き芋の軽トラ。
それらが住宅街にある自宅の前でとまるのです。
確か水曜日の夕方、お決まりの音楽を流しながらやってくる、スーパーの移動販売が特に好きでした。
音楽が近づいてくるのを察知すると、「何か買うものはないの?」と母をせっついたものです。
たまに袋パンを買ってもらったような記憶がうっすらとあります。
その後しばらくして、見かけるようになったのは、パン屋さんの移動販売車です。
「○○(少し離れた町)から来ています」とアナウンスしながらゆっくり住宅街を流していく。
小心者なのですぐには飛び出して行けず、後悔をして、3度目くらいに来てくれた際に「ずっと気になってたんです」と買いに行くのが毎回のパターンです(した)。

他に、家の音楽を慣らしてやって来るものは
ゴミ収集車、さお竹屋(要注意!)、灯油屋さん、
あとは遠くの方で音だけ聞こえることがあった豆腐屋さん…
パン屋さんとキッチンカー

移動販売車を「フードワゴン」とか「ケータリングトラック」「キッチンカー」と呼ぶようになると、
屋台の進化版のようなメニューのみならず、あらゆるジャンルの料理やドリンクに加えて、目にも楽しいスイーツなどが提供されるようになりました。
ちょうどメロンパンのブームの頃に、メロンパンの移動販売車が急増しました。
そのようなことから、パン屋さんとキッチンカーって良い組合せなんだろうと、違和感なく受け入れたと思います。

実際どうなんでしょうか?
イマドキのキッチンカー

実は、今年になってから本気で『(わたしにとって)キッチンカーでパン屋さんが可能かどうか』を調べ、セミナーに参加していました。
参加したセミナーは大変興味深く、ギリギリまで再挑戦したい思いで悩んだほどでした。
わたしの結論を先に言っておくと、「キッチンカーでパン屋さん」は見送りました。
現代のキッチンカーは本当によくできています。感動しました。
お店となる車体の仕様は、先駆者たちが経験を活かして、必要な物を加え、より使い易くどんどん改良されています。レベルが高いです。
また、認可されなければ営業できませんので、これもまた許可が通る仕上がりになるように計算し尽されています。
また、『どこにキッチンカーを出して営業するか』という肝の部分や、場所の提供者との契約の仕方などのノウハウを学んだだけでも、ワクワクする情報が盛りだくさんでした。
一緒に受講した人のほとんどが、飲食店経験者でそれぞれのビジョンを持っていました。
(コロナ対策で、他の人とコミュニケーションは控えましたので、セミナー講師の問いに対する挙手などの反応からの判断です)

実際にサンプル車の中も見学させてもらいました!
キッチンカーの会社:フードトラックカンパニーの公式ホームページはこちら
キッチンカーの向き不向き

残念ながらわたしは見送ったのですが、「キッチンカーでパン屋さん」は可能です。
ただし、色んな条件を満たしていることです。
どんなパン屋さんにしたいのか?

パン屋さんの種類が色々あることを、以前にお話ししました。
その中で、焼きたてを販売する【オーブンフレッシュベーカリー】から3つ紹介します。
⑴スクラッチ…ミキシングから
⑵ベイクオフ…冷凍生地から
⑶ホットデリバリー…焼きたてを配達
この中でキッチンカーのみでやっていけるのは、⑵のみです。

わたしは⑴か⑶を選びました
キッチンカー以外に必要なもの

これは⑴~⑶に分けて順に説明していきます。
⑴スクラッチ…ミキシングから
・材料置き場 ・仕込み~製造のための道具と場所・発酵生地の保存ができる冷蔵冷凍庫
※キッチンカーには冷凍庫、ホイロ、オーブンの搭載が必要
⑵ベイクオフ…冷凍生地から
・冷凍生地の保存ができる冷凍庫
※キッチンカーには冷凍庫、ホイロ、オーブンの搭載が必要
⑶ホットデリバリー…焼きたてを配達
・材料置き場 ・パン工場
※キッチンカーにオーブンの搭載不要
メリット・デメリット

キッチンカーを選ぶメリットは、初期費用が抑えられることです。
通常パン屋さんを開業しようとすると1500万円はかかるので、数百万円で車体が用意できるのは魅力です。
ただし、パン製造を車の中で行うには限界があるので、そこがポイントでありネックです。
キッチンカー以外に、パン工場を持っているか、または保健所で認可される環境の製造場所があれば問題ありません。
わたしは共同住宅に住んでいるので、自宅では保健所の認可がおりません。
時間限定で飲食店のキッチンの間借りをする選択肢もありますが、パン製造にかかる時間は長いのでそう上手くはいきません。

そして、パン工場を借りるなら、
もはやキッチンカーにこだわらずに
地元に根ざしたパン屋さんになればいいんです!
参考記事:パン屋さんの開業のはなし
パン屋さんの閉店のはなし
まとめ

今日は「セミナーでわくわくし過ぎて、一瞬、パンではない料理でキッチンカーを出そうかと本気で悩んだよ」
「車内の会計の仕組みや保険なども勉強すると、先駆者の苦労を知るとともに、それなりの歴史を刻んでいるんだなと感じたよ」
「食品衛生士の資格と営業許可さえとれば日本全国どこでも営業できるよ(行く先々で事前許可が必要)」
「さらにウーバーイーツなど宅配業者とも提携できるよ」
「ガソリンの値上げはキッチンカー業界にも打撃らしい」
「キッチンカー事業の見送りを決意して、このブログを始めるに至ったよ」というおはなしでした。
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