おいしいパンは、作り方や配合を考えることも大事ですが原料の良否ってあると思います。
そこで、製パン原料のはなしです。
良いパンを作るためにも、製パン原料の特性に触れておきたいと思います。
小麦粉
製パン原料として一番初めに挙げるべきは小麦粉です。
小麦粉の一番大切な役目は、パンの骨格を形成することです。
小麦に含まれるタンパク質が水を吸って膨れ、
捏ねられることによって粘りと弾力が出て、
網状にのびたグルテンが生まれます。
タンパク質が小麦粉特有の成分で、
ライ麦・米・大豆・大麦・トウモロコシなどの粉ではふっくらとしたパンを作ることはできません。
小麦粉はパンの出来具合を左右する重要な材料です。
参考記事:小麦のいのち、グルテン
小麦と製粉のはなし
パンの歴史①小麦とパンのはじまり
小麦粉の種類と等級のはなし
イースト=酵母
イーストは製パン原料として欠かせない材料です。
他の原材料と違って、イーストは微生物です。
その活動によって炭酸ガスやアルコール等を作り出してくれるのです。
イーストは15℃以上になると自己発熱によって温度が上昇してしまいます。
その結果発酵力を失います。
また、放置すると腐り始めます。
イーストは生き物なので、常に新鮮なものを使用することが大事です。
保存は原則として冷蔵0~3℃、高くても10℃以下が良いです。
参考記事:イーストの実験
イーストの種類と歴史のはなし
イーストと発酵のはなし
食塩
製パンにおいての食塩の役割は特に重要です。
味のみならず、製造上での生地性にも大きな影響力を持っています。
具体的には
発酵抑制、味、バランス、雑菌繁殖を防ぐ、生地を引き締めるなど
使用にあたってはイーストに直接触れるのを避けることが注意点です。
砂糖
製パン原料として挙げる順番は低いですが、時にとてもよい働きをしてくれるのが砂糖です。
一般的には上白糖が良く使われますが、黒糖・三温糖なども使用できます。
砂糖がなくてもパンは焼けますが、加えるとリッチなパンに近づきます。
効用
①でんぷん質の老化を防ぐ
②塩と同様に強い防腐力
③脂肪の酸化を防ぎ、食品の風味を守る
④パンなどをふっくらと膨らませ、香ばしいにおいやおいしそうな焼き色をつける
使用にあたってはイーストに直接触れるのを避けることが注意点です。
参考記事:お砂糖と糖質のはなし
油脂
製パン原料としての油脂は、その出来上がりのパンの種類(目的)によって
それぞれに合った性状のものを選びます。
油脂がなくてもパンを作ることができます。
油脂の種類は
ショートニング・バター・マーガリン・ラード・サラダ油・オリーブオイルなど
油脂を加えることにより、生地の滑らかさや風味が変わります。
参考記事:油脂のはなし
離乳食のパン選び
全く同じ材料じゃなきゃダメなの?
乳製品
製パン原料として牛乳や脱脂粉乳などの乳製品をいろいろな形で使用します。
これらがなくてもパンは焼けます。
パンに使用する目的
①栄養の強化
②風味の向上
③色の改良
④老化防止など
高級志向もあって…
牛乳のほかにも、生クリーム・ヨーグルト・チーズなどもパンに使います
水
水の質と量はパンの出来具合を大きく左右するので大切です。
種類としては、その中に溶けている無機塩類量により
ミネラルが多い硬水とミネラルが少ない軟水に分類されます。
製パンに適しているのは中程度の硬度と弱酸性の水です。
水分がないとパンは作ることができませんが、
水ではなく同量の水分に代替えのアレンジができます。
代替えの一例:牛乳・トマトジュース・豆乳など
量に関してはパンの種類(目的)によって変わりますが
粉に対して45%~70%配合されます。
水分量はとても敏感で同じレシピでも毎回注意が必要です
部屋の湿度・粉に含まれる水分量に影響します
油脂や水分の種類でも出来が変わるので計量は慎重に!
参考記事:どうしよう!?水量をまちがえた!
製パン原料 まとめ
今日は主なパンの原料についてお伝えしました。
これらを参考に原料を選んだり、材料の代替のヒントにしていただけたら嬉しいです。
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