
乳製品とは、動物の乳、特に牛乳の加工品の総称です。
個人的には大好きな食べ物で、特に牛乳・ヨーグルト・チーズには大変お世話になっています。
また、牛乳のほかに、山羊乳製品や水牛製品も結構好きです。
それから、ビーガン食の人も増加しているので、乳製品の代用品として豆乳をはじめとする植物性のものも複数出てきました。
乳製品の加工分類

乳製品の加工の種類は4つに分類できます。
⑴発酵系列群…生乳を乳酸発酵させて酸乳にしてからの加工→ヨーグルトなど
⑵クリーム分離系群…生乳からクリームを分離して加工するもの
⑶凝固剤使用系列群…生乳に凝固剤を加えてチーズにしてからの加工→チーズ
⑷加熱濃縮系列群…生乳を加熱し濃縮して加工するもの
主な乳製品









主な乳製品をピックアップしてみます。
▣ヨーグルト…乳をそのまま発酵させたもの
▣クリーム…乳の乳脂肪分をとりだしたもの
▣チーズ…乳から固形分を取り出して固めたもの(それをさらに発酵させたものが多い)
▣バター…クリームから油分を分離させたもの
▣バターミルク…バターを作る時にできる液体(日本ではパウダーに加工される)
▣ギー…バターをさらに精製したもの
▣発酵酒…ヨーグルト同様の乳酸発酵したもの
▣乳脂…石鹸の原料などに使用される乳脂肪(工業原料)
▣カゼイン…栄養剤・安定剤・印章などの原料に使用される乳タンパク成分(工業原料)
日本での乳と乳製品
フランスに住んでいた時に、スーパーで売っている牛乳(常温で長方形紙パックで販売)が
薄くて「なんじゃこりゃ」と思いました。
20歳ではじめて他国の省令のちがいを知ったのでした。
参考:パン留学①準備~到着編
パン留学②語学学校~入試合格編
パン留学③INBP入学~帰国編
省令上の乳



▣生乳…牛からしぼったままの状態の生の乳
▣牛乳…生乳100%、成分無調整で殺菌したもの
▣生山羊乳…山羊からしぼったままの状態の生の乳
▣殺菌山羊乳…山羊の乳100%
▣生メン羊乳…羊からしぼったままの状態の生の乳
▣生水牛乳…水牛からしぼったままの状態の生の乳
▣成分調整牛乳…生乳100%、成分調整して殺菌したもの
▣低脂肪牛乳…生乳100%、乳脂肪分0.5~1.5%に成分調整して殺菌したもの
▣無脂肪牛乳…生乳100%、乳脂肪分0.5%以下に成分調整して殺菌したもの
▣加工乳…生乳や牛乳のほかにバターや脱脂粉乳などを原料として作ったもの
省令上の乳製品



▣クリーム
▣バター
▣バタークリーム/バターオイル
▣チーズ
▣濃縮ホエイ
▣アイスクリーム類(アイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイス)
▣濃縮乳
▣脱脂濃縮乳
▣無糖練乳(エバミルクなど)
▣無糖脱脂練乳
▣加糖練乳(コンデンスミルクなど)
▣加糖脱脂練乳
▣全粉乳
▣脱脂粉乳(スキムミルクなど)
▣クリームパウダー
▣ホエイパウダー
▣バターミルクパウダー
▣加糖粉乳
▣調整粉乳(育児用粉ミルク)
▣調整液状乳(育児用)
▣発酵乳(ヨーグルト)
▣乳酸菌飲料(ヤクルトなど)
▣乳飲料(コーヒー牛乳、カルシウムなど)
植物性の乳製品
ビーガン食に徹している人は、食肉・魚介類・卵・乳製品・ハチミツを避けています。
ということは、植物性の乳製品(代用品)があるわけですね。




パンづくりにおける乳製品




乳製品を一切使用しなくてもパンを作ることができます。
では、どうして乳製品を使用するのでしょうか?
それは、乳製品の使用によって【風味・味付き・ボリューム・栄養価・老化防止】の面において効果があるからです。
パン作りの原材料でよく登場するのは脱脂粉乳(スキムミルク)と牛乳です。
続いてはチーズ各種(シュレットチーズ・粉チーズ・プロセスチーズ)で、
これらはサンドウィッチやピザにも使われますが、ポンデケージョ(チーズを練り込んだブラジルのパン)のような練り込みのものもあります。
また、特徴のあるパン作りでサワークリームやヨーグルト、砂糖の代わりに加糖練乳(コンデンスミルク)などを使用することもあります。

バターは油脂でも登場しているので省略します。
パンに使用するときに気にすること

もう一度言っておくと、乳製品をパンに使用するのは【風味・味付き・ボリューム・栄養価・老化防止】の効果を狙っています。
それを踏まえて一番よく使用する脱脂粉乳(スキムミルク)を中心に気にするべきことを記しておきます。
脱脂粉乳(スキムミルク)
パン作りの使用度NO.1の乳製品である脱脂粉乳は、以下のことに気をつけます。
⑴糖類が25%以上ある場合は使用しないのが無難
⑵糖類が15~25%の場合は使用の効果がある
⑶使用量は粉に対して2~4%
⑷使用量が多い場合は他の材料や工程を変える
・イースト量を増やす…脱脂粉乳は発酵を抑制するため
・吸水が増す…脱脂粉乳により吸水が増し生地が硬くなるので水分を調整する
・焼成温度を下げる…粉乳に含まれる粉糖の性質により焼き色がつきやすい
・モルトを添加する…生地のphが下がりにくくなるので酸化剤となるモルトを加えるとよい
⑸一般的にストレート法(直捏ね法)の場合は省略できるが、中種法なら必ず用いた方がよい
⑹脱脂粉乳の代用として使えるのは【生クリーム・練乳・ハチミツ・牛乳】

脱脂粉乳にはグルテンを補強する力があるので生地が弱ることはないのですが、
硬くなり過ぎないように水分を調整します!
チーズ



乳製品の中でもかなりバリエーションがるのがチーズ。
このチーズには特有の芳香があって食欲をそそります。
また、栄養価が高いことや美容食としても最高ですが、脂質が高いところに注意が必要です。
注意するのは以下の5つです。
⑴プロセスチーズは練り潰しておくと生地に混ざりやすい
⑵はじめからではなく、生地がまとまった後の油脂と一緒に投入する
⑶後から生地が緩んでくるので吸水に注意する
⑷火の通りが悪いので焼成を充分にする
⑸なかには”発酵調整剤”が入っていることがあるので注意する
参考:ピザのはなし
サンドウィッチのはなし
ホットサンドのはなし

牛乳の代用

乳製品の代表ですが、もし牛乳を切らしている場合は以下のもので代用できます。
・牛乳100%=水88%+バター4%+脱脂粉乳8%
※こちらは内パーセントです。
加糖練乳(コンデンスミルク)

加糖練乳(コンデンスミルク)は、牛乳と砂糖を煮詰めたものです。
そのため、加糖練乳使用の場合は砂糖不要、または、砂糖の代用と考えます。

使用することによって、
生地の組織が滑らかになり、
風味がよくなりますよ♪
カルピス

これは乳製品の番外編かもしれませんが、結構おすすめアイテムです。
カルピスは牛乳を脱脂して乳酸菌で発酵させたものです。

爽やかな風味が味わえます。
夏におすすめ♪
乳製品 まとめ

乳製品はパン作りになくてもいいと言いながら、レーズンパンやバターロールなど
風味を意識したパンには使用したい原料です。
余談ですが、わたしは昔からどうも低脂肪牛乳が苦手なんです。
最近コーヒーにパウダーミルクを入れるようになったのですが、
まちがえて低脂肪1/2を買ったら物足りなくて、すぐにノーマルを買い直してもったいないから低脂肪1/2と半々で使っています。
結局”何分の何?”まるで算数の問題みたい…と思って考えるのをやめました。笑
今日は「クミン&レーズンパンのように、脱脂粉乳(乳製品)を加えて砂糖を使用しない配合もあるよ」
「なくていいけど、入れたら実力を遺憾なく発揮してくれるので乳製品は大事だよ」というおはなしでした。
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