
水量を間違えた時は、それはもう落ち込みます。
この世の果てかと思うくらいショックが大きく、
なかなか現実を受け入れられなくなり、
しばらく呆然と立ち尽くします。
お店の場合、もう何もかも投げ出して、お家に帰りたくなります。

計量ミス&入れ忘れショックランキングがあるなら、ダントツ1位が水です。
そしてミスそのものが一番多いのも水です…
水を入れなければミキシングは始まらないのに、1位獲得です。

ちなみに計量ミス&入れ忘れショックの第2位は食塩で3位がイーストです。
プチペ独自ランキングですが、多分パン屋さんはみな同じ順位をつけると思います。
4位があるとしたら粉(小麦粉)ですかね。
水量の間違い 少ない場合

そもそもの粉の100%と材料の計算を間違えるという凡ミスが原因で起こります。
粉を20kgで計量して、材料は粉15kgで計算してしまうという…
曜日によって仕込み量が決まっていたりするとだいたい数字を覚えていくのですが、
記憶で計量してしまって、いざミキサーを回し始めてしばらくしたら
「あれ?粉っぽい!?あーーーーっ!」となるわけです。
ただ、この場合は早期発見で水を含め、
材料を追加計算して足していけば生地としてはいいんです。

お店では「すみません。5kg多く仕込んじゃいました…」と謝ればいいんです。
仕込みマンは誰しもこれを経験したことあるので、
心の中で何を思っていても『いいよ。いいよ。』と言ってくれます。笑

水量の間違い 多い場合
問題は、さっきの逆?パターンです。
粉を15kgでその他の材料を20kgで計量してミキシング開始すると…
あっという間にべちゃべちゃの生地を目の前にします…
想像してください…15kgのお好み焼きの生地を…
場合によってはクレープの生地…
もんじゃまでいってたらもう…生きた心地がしません(ー_ー)…
解決策は足りない材料を補うしかないんです。
自分が何をしてこうなったかを必死に思い返してリカバリます。
結局こちらも予定より多い仕込み量になってしまい心が痛むのですが、
そんなことより生地の回復を選びます。

お店では「すみません…」と小さくなって心から謝ります。
みんなだいたいこれも経験しているので
誰も咎めたりはしないのですが、
仕込みマンのこの手の失敗は「いいよ。いいよ。」と言ってもらえなかったり、
言いたいことをグッとこらえているのが伝わるのでもの凄く反省します。
そして仲間たちは見なかったフリをしてくれます。笑
水量の間違い 回復不能の場合
本当にどうしようもないときは2パターンです。
①そのまま焼いて処分⇒さよーならー (気持ちを新たに計量からやり直しです)
②発酵生地として使う⇒ゆるゆる加減にもよりますが、生地をこねる時に材料としてパン生地を使うレシピがあります。(こちらも気持ちをあらたに計量からやり直しです)

まとめ
水量の間違いに気づいたら、正しい分量になるように調整し回復を目指します。
ー生地がどろどろまたは緩い場合:粉とその他の材料を足す
ー生地が硬いまたは粉っぽい場合:水量を足す
今日は「ミキシングを始める前に本当に正しい計量をしたか確認しなくては!」
「水量はパンの出来を大きく左右するんだよ」というお話でした♪

水量は本当に微妙に変化します。
湿度や粉に含まれている水分、あとから追加する材料(レーズン、油脂など)でも
生地の硬さは変わります。
硬め/やわらかめ、どんな生地を目指しているのかを知って作ることも大事です。
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