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小麦と製粉のはなし

小麦畑でおどけるこども パンの原材料
Collection of various grains in bowls isolated on white background, panorama, top view
色々な穀物

パンの基本は穀物です。穀物形状や性質のちがいから世界中で様々なパンが生まれています。

その中でもっとも一般的なのが、小麦です。

小麦の中でもグルテンの強さから、パンにより多く使われているのは強力粉です。

参考:小麦粉のいのち、グルテン

では、どうして小麦小麦粉なのか?というのが今日のおはなしです。

小麦のはなし

小麦の拡大図
“小麦の拡大図”
小麦と米の断面図
“小麦と米の断面図“

小麦は茎から離して殻をとるとになります。“小麦の拡大図”はそのを縦に切った断面図です。

胚乳部分がやわらかくて、になった時に白っぽく見えているところです。

また、“小麦と米の断面図”で見るように、小麦にはがついています。

プチペ
プチペ

は胚乳部は硬いのですが、

小麦のような溝はありません。

そんなわけで、精米と製粉はやり方が異なるんですね。

小麦はなぜ粉にするの?

wheat flour with whole wheat background close up
小麦と全粒粉のアップ

小麦をわざわざにするなんて『きっと何かの理由があるはず!』そう思いますよね。

古代の人たちも雑草に紛れて生えていた大麦小麦を見つけて、食するうちににしました。

参考:パンの歴史①小麦とパンのはじまり

ざっと挙げられる理由は3つあります。

①そのままでは料理しにくい

大麦とちがって小麦には殻をとってもかたい皮があるから

②小麦の解体が難しい

・皮を取ろうとすると、粒に溝があり取れにくい

胚乳部分がやわらかいので崩れやすい

③粉にするとグルテンが出やすい

・粒のままではグルテンは出ません

プチペ
プチペ

つまり、そのままでは食べづらい/料理しづらいけれど、

ひとつずつ分解するよりも、全体をすりつぶしてにしてから分ける方が容易なのです。

小麦を粉にする道具

Flour sack, ears and wooden measuring cup on wooden background. Natural baking products.
小麦が小麦粉になるには道具が必要

小麦小麦粉にするには道具が必要です。

現在では電気が通り、製粉会社が複数あって製粉業を担ってくれています。

19世紀後期までは電気以外の力をかりて、製粉作業をしていました。

古代の製粉はどのようなものだったのかをまとめましたので、ご覧ください。

手作業 小規模の製粉 サドルカーン

Four kinds MORTARS close up over white
現代の石臼のサンプル

そもそも粉にする前には、麦の穂の茎から実を離して殻をとる・粒にすることが必要ですが、

それは棒で叩いたり、動物に踏ませるなどの手段で行われていました。

今から1万年前(日本は旧石器時代)、西アジアで使われていた石臼と杵は、長さ1mの大きなものです。

膝をついて全身を使って挽くこの重労働は女性の仕事でした。

この石臼(カーン)は馬の(サドル)に似た形なのでサドルカーンと呼ばれています。

手作業 大型 ロータリーカーン

古代手動石臼
古代手動の石臼(イメージ)
Millstone for wheat from ancient Rome time at the ruins of Molini tenement in Roman archaeology excavation of Ostia Antica, Rome Italy
ポンペイ(イタリア)遺跡の古代石臼

ローマ時代(日本は縄文時代)には回転式の石臼(ロータリーカーン)になります。ずいぶん効率が上がったと思われます。

しかしそれはとても大型で、高さ約2mその重量は数百㎏だったと言われています。

これを動かしていたのは奴隷やロバでした。

プチペ
プチペ

現代でもアフリカやインドでは、

同様のロータリーカーンが使われていますよ。

水車 

water wheel before a wall with sunlight and shadows
水車(イメージ)

中世ヨーロッパ時代(BC400年/日本は弥生時代)にはギリシャで、水車による製粉が始まりました。

水車の製粉は100年後にローマ人にも伝わりましたので、大正解ですよね。

これまで人力動物の力をかりていたものを、よく水の力にたどり着いたと感心します。

誰もがそう思ったのでしょう、11世紀(日本は平安時代中期ー後期)にはヨーロッパ各地に広まりました。

風車

古代ギリシャの風車遺跡
古代の風車(ギリシャ遺跡)

水車に憧れても、水がないところや平らな土地には水車は使えません。

そこで次に出てきたのがっ!風車です。

12世紀(日本は飛鳥時代)のペルシア・ロシア・北ヨーロッパに広がり、

そしてそのままドイツ・イギリスへどんどん伝わっていきます。

風車で有名なオランダに伝わったのは15世紀になってからです。

17世紀フランスでは、製粉後にふるいわけをする現代と似たような製粉方法が始まりました。

製粉と蒸気エンジン

old steam engine used to be farming equipment in the past
古い蒸気エンジン(イメージ)

水車と風車は製粉のためにとても役に立ちましたが、まだまだ進化します。

18世紀蒸気機関が発明されて、水蒸気が動力源となります。

1784年(日本は江戸時代)イギリスウエストミンスターに作られた製粉工場では、

30蒸気機関を動力に使った石臼が並んでいて壮観だったと思われます。

小麦の製粉 自動化

その後、アメリカ製粉工場自動化が次々と試行されます。

この時代までの製粉工場は全ての産業の中で最も進んだもののひとつでした。

製粉はいつも人類の歴史のリードするものでした。

プチペ
プチペ

長い間続いてきた石臼で粉を挽く時代に幕を引いたのは

19世紀後半鉄製ロール式製粉機の実用化です。

以来、製粉産業も近代的な工業化への道をひた走るわけです。

小麦と製粉 まとめ

A child in a wheat field. Selective focus. nature.

昭和40年代ころの日本では、秋になると麦を踏む農家の風景(麦踏)冬の風物詩と呼ばれていたそうです。

一方で、秋の麦と書いて麦秋(バクシュウ)は夏の季語だそうですね(収穫期は初夏だけど、熟した麦の収穫は秋だから)。

日本でも小麦はいろんな形でかかわりがあり、とても身近な存在となりました。

20年くらい前は、“日本の小麦はパンに向いていない“と言われていましたが、

最近はパンに適した国内麦多く出ており、わたしも色々試しています。

今日は「小麦が小麦粉になるにも歴史があったよ」

「国産の強力粉もパンに適しているものが増えてきたよ」というおはなしでした。

プチペ
プチペ

小麦のはなしはまだまだ尽きませんね(^^♪

続きはまた今度…

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