
フィリングはパンの名脇役です。
まず、パンのフィリングってなぁに?ってところですが、一般的にパン生地に加える詰め物のことを指します。
ただし、パンの場合は生地で包むこともありますし、トッピングのようにのせることもあります。
つまり、調理パンにもデニッシュを含む菓子パン、伝統パンにも登場する必要なアイテムなのです!
いろんなフィリング

パン生地に合うフィリングは、パン生地との味のバランスは当然ですが、
最大のポイントは水分量と言えます。
水っぽいと、パン生地が水分を吸うかうまく蒸発できずに、焼きあがってもべちゃべちゃになってしまいます。
そうなると、せっかくおいしい味のバランスでも、食感が悪くなり…失敗。もったいない。
あん

あんぱんのあんには、こしあん・つぶあん・しろあん・まっちゃあん…いろんな種類があります。
パン生地は酒種を使用したり、中種生地のほか、オーソドックスな短時間法の菓子パン生地を採用することもあります。
また、包み込むあんぱんのほかに、デニッシュ生地に織り込むシートタイプや、
表面に見えるかたちでトッピングすることもあります。

目的に合わせたフィリングを選びます♪
参考記事:パンの歴史④日本のパン その2 あんぱんから始まった
パンの作り方 製法①ストレート法
パンの作り方 製法②中種法
カスタードクリーム



クリームパンやパンオレザンをはじめとする、カスタードクリーム使用のパン。
卵の種類や量、砂糖の種類、バニラビーンズなどのフレーバー、そして何よりも硬さがポイントです。
食べるときにはトロっと溶けるようにしたくても、ゆるいと作業難易度はあがります。
パン生地は、あんぱんと同じくシンプルな菓子パンレシピを採用することが多いです。
包む以外には、食パンに切ったら渦巻になるように練り込む、お皿にしたデニッシュ生地にトッピング、
カスタードクリームを折り込んで層(デニッシュ生地)にすることもできます。
また、焼きあがったコッペパンやデニッシュに挟み込んだペストリーや、
同じく焼き上げたクリームパン生地にカスタードクリームを搾り入れることもあります。
参考記事:菓子パンのはなし
No.7 菓子パンレシピ
ジャム



ジャムパンはあんずジャム
ジャムはなかなかの優れものです。
あんぱんやクリームパンのように、ジャムを包み込むジャムパン。
いちご・マーマレード・あんず・ブルーベリー・チェリー…フルーツの数だけ種類はあるのではないでしょうか。
そして、ナパージュとしての使い方もあります。
ナパージュは上がけ用シロップで「ツヤ出し」です。
よくデニッシュペストリーにぺとぺとしたものが塗られていますよね?
あれです。ナパージュの代用にジャムを上手に使うことができます。
カレー



フィリングは甘いものだけではありません!
甘くないフィリングの代表とも言えるのが、カレー。
焼きカレーパンに揚げカレーパン(カレードーナツ)など、パン屋さんでは大抵上位の人気パンです。
その他のフィリング



コロッケはやや番外編ですが、サンドウィッチや焼き込み調理パンによく登場するたまごサラダやツナサラダなども立派なフィリングです。
参考記事:サンドウィッチのはなし
レシピ9 調理パン
コッペパンのはなし
自家製と既製品

家庭でパンを作る場合の多くは、「フィリングまで全て手作り」になると思います。
とは言え、最近とても便利になっているので、既製品も手軽に手に入ります。
では、パン屋さんはどうでしょうか?
実は意外と「全て手作り」をやっているお店はとても少ないのです。
その理由には「時短」「価格の問題」「既製品がおいしくなっている」などもありますが、もっと違う理由もあります。
以前は「あんを炊くには保健所であん(餡)製造許可が必須」でした。
2021年6月に食品衛生法の改正があり、かなり緩和され、
現在は「食パンや菓子パンの製造販売するのに必要な菓子製造許可」を持っていればあん製造販売ができるようになっています。
わたしもそれであんを炊くことを断念したため、お店をやっていた当時にあんぱんやカレーパンを取り扱っていませんでした。

ちなみに、「調理パンを製造販売するには飲食店営業許可が必須」です。
調理を自分でせずに調理パンの既製品を販売する場合にこの許可は不要です。
まとめ

今日は「自家製をアピールしているパン屋さんがあるのは、既製品使用が当たり前だからだよ」
「パンのフィリングは味と水分量などがよく考えられている」
「ネットでもいろんな既製品が購入できるよ」「「パンのフィリングは奥が深い」というおはなしでした。
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