
サンドウィッチはお好きですか?
定番から変わったものまで、いろんなサンドウィッチがありますよね。
ちなみに、サンドウィッチもサンドイッチも表記の違いで同じです。
その定義とは、パンなどに肉や野菜、卵などの具をのせたり挟んだりした料理のことで、かなりざっくりとしています。
サンドイッチ伯爵

サンドウィッチの発明者として有名なジョン・モンターギュ・サンドイッチ伯爵。
彼は1718年イギリスケント州の領主です。
1775年に勃発したアメリカ独立戦争の時には、海軍大臣としてその手腕を問われるのですが
結果は大敗で、無能ぶりが比類なきものとしてイギリス史に残っています。
J.M.サンドウィッチ氏は、私生活でも夜な夜な遊んでばかりでカードゲーマーだったとか。
『好物のローストビーフを2枚のトーストパンにはさんで食べれば、カード中に手を休めなくてよい』
こういう発想は優れていたんですね。やがて、この手軽な食べ方がおいしくて評判になりました。
ところが、実は”紀元前にすでにほかの誰かがレタスをはさんで食べていたらしい”…とか、
”サンドウィッチ伯爵は超多忙で、本当は夜な夜な遊ぶ時間もなかった”…とか
このサンドウィッチ伯爵の逸話を覆す話も出てきました。

それでもやっぱり
サンドウィッチ伯爵の名前が残ったんですから
意外と無能ではなかったのかも…
サンドイッチの種類



⑴クローズサンド…複数ではさむタイプ、切込みを入れてはさむタイプ
⑵オープンサンド…具がパンの上にのっているタイプ
⑶セルフサンド…食べるときに完成させるor完成させながら食べるタイプ

このほかに、ホットサンド・コールドサンド…など
パンの種類などでも分けることができます(^^♪
欧米と日本のサンドウィッチのちがい

⑴作り方…欧米ではサンドウィッチを店頭に並べない。新鮮なもの、自分の好みを選ぶ。
⑵フィリング…日本は種類が多い。野菜の量も多いのは水分を摂るため。
⑶受け取り方…欧米では完全に食事。日本は包装までしっかりしている。
サンドウィッチ作りのポイント

パン屋さんが気をつけるべきサンドウィッチを作る時のポイントをあげてみます。
パンについて

⑴パンは新しいものを使用、作り置きはしない。
⑵食べていて飽きがこないパンを選ぶ。例)食パン、ロールパンなど
⑶新しいパンを使用(食べ方のヒントを提供)
フィリング

⑴肉類…牛・豚・トリ…、加工品(ポークハムなど)
⑵魚介類…白身魚、サーモン、サバ、ツナ・カニ・エビ・アサリなど
⑶乳製品…チーズ・生クリームなど、卵
⑷野菜&果物類…温野菜・冷たい野菜・フルーツ
⑸缶詰…コーン・水煮など(すでに上記に出ているものも含む)

近年ではジビエ料理などで食する肉の種類も増えました。
ただ、一般的なサンドウィッチに使用する肉は上記にあげた3つが主流です。
トリは鶏に限らずターキーなどもあります。
また、肉の加工品;ソーセージはサンドウィッチでは不人気です。
調理パンでは大活躍なので不思議。これも適材適所というものなのでしょうか。
パン屋さんに並ぶサンドウィッチの傾向

◆ボリューム・見た目・手ごろな価格 重視
◆高値でもおいしいものを 重視
◆小さい包装で食べやすさを 重視
◆価格を落として種類豊富 重視
このように、サンドウィッチの傾向は毎年コロコロと変わります。
パンに塗るバター

【パン・バター・フィリング】この3つでサンドウィッチは成り立っています。
ここでは、サンドウィッチに欠かせないバターやその代役の存在にも注目します。
⑴防水効果として使用…具材の水分がパンに沁み込むのを防ぐ
⑵バターの代用…マーガリン・マヨネーズなど
⑶味のハーモニーを計算
・肉類にはカラシを用いるのがおいしい
・魚にはフルーツバターが合う
・パセリやレモン、酢のアレンジバターで臭みをとる効果をねらう
具に使用するソース

サンドウィッチは料理なので、
【パンとフィリングとの量のバランス】、【フィリングに対するソースのバランス】が大事です。
その上でそれぞれにあったソースを紹介します。
⑴魚
・酢の効いたものが合う(臭みをぬく)
・冷たいソースが合う
・マヨネーズ、ドレッシング、タルタルソース
・リンゴ、レモン、香辛料の効いたもの
・例外として温かいホワイトソースは相性がよい
⑵肉
・火にかけたものが合う
・トマトソース、ブラウンソース、ケチャップなど
・豚やトリにはトマト系、牛には濃いものが合う
⑶野菜
・冷たいソースが合う
⑷卵
・たまごサラダ…マヨネーズ
・油で調理したたまご…温かいソース
衛生面

当たり前ですが、衛生面は緊張感をもって管理します。
・サンドウィッチルームの清掃・消毒
・器具の消毒
・手洗い
・新鮮な材料を使う
・材料保管の仕方
・作り置きしない
・調理人の健康管理
・味見
ウラ話

ここではちょっとしたパン屋さんのサンドウィッチのウラ話です。
⑴サンドウィッチはパン屋さんの売り上げをカバーする存在
⑵サンドウィッチでパンのおいしさを伝えている
⑶新鮮さやメニューから店のイメージアップを図っている
⑷お客さんのニーズを探っている/消費者ニーズに合わせている
⑸特注がとれる存在
⑹季節感が出せる(色彩で店内を明るく演出)
世界のサンドウィッチ









▣アメリカ…BLTサンド、コンビーフサンド、クラブサンド、パストラミサンド、ツナサラダサンド、ベーグルサンドなど
▣イギリス…日本と同様にソフト系の食パン(スライス)使用、ベーグルサンド、ロールパンサンドなど
▣イタリア…ブルスケッタ、クロスティーニ、パニーニ(パニーノは単数形)など
▣ドイツ…ハード系の硬いパン(スライス)使用、田舎パン、ロールパンなど
▣フランス…クロックムッシュ、クロックマダム、カスクルート(バゲットサンド)など
▣メキシコ…タコス、ブリトー、ケサディアなど
▣西アジア…ピタサンド、ナンサンド、ラップサンドなど
▣日本…カツサンドは1935(昭和10)年に神奈川県鎌倉市大船のパン店ではじめて作られた。
※近年はあんバターサンドやフルーツサンドの流行りもあります。

たくさんあって載せきれないです(・・;)
トルコのサバサンドがおいしいときいているので
本場のサバサンドを食べてみたいです!
参考:バターロールのはなし
レシピ6;フォカッチャ
レシピ5;ナンの作り方
レシピ1;バターロール
サンドウィッチ まとめ

自由な発想で自由に食べればいいサンドウィッチ。
今日は「パン屋さんは新商品をよくサンドウィッチに使うよ」「サンドウィッチを見れば市場の流行りの傾向がわかるよ」
「サンドウィッチを作る時は防水が大事だよ」「防水には粒マスタード&マヨネーズがおすすめだよ」というおはなしでした。

ホットサンドのはなしはこちらをご覧ください↓
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