突然ですが、ホワイトブレッド=白パンではありません。
ホワイトブレッドとは、ライ麦パン=黒パンに対して【クラムが白いもの全般】をさします。
その定義でいくと、食パンもバターロールもバゲットもフォカッチャもホワイトブレッドです。
今回の白パンは、何十年か前に一世風靡した『ハイジの白パン』を筆頭にした、見た目の白いパンのことです。
このパンの登場は衝撃的でした。
ハイジの白パン
リトルマーメイドの商品名にもなっている『ハイジの白パン(税込129円)』。
ハイジとは、あの”アルプスの少女ハイジ”です。今は某塾のCMにて活躍されている…笑
そのハイジが大好きなペーターのおばあちゃんは、ライ麦パンのような硬ーい黒パンを食べていました。
お金持ちのクララのおうちで食べたやわらかい白パンを、おばあちゃんに食べさせてあげたくて…
という物語で、テレビを観ているみんながその白パンを食べてみたくなりました。
ーわたしはちょこっと年代がずれているので、姉と一緒に主題歌をはりきって歌っていたけど
実は当時の記憶として、ストーリーは覚えてないのでした。
ハイジの白パンを知ってから「なんだったっけ?」とふり返った者のひとりです。
本当に当時のアルプスの黒パンは硬かったようですよ。
近年になってラクレットチーズもまた人気が出ました。
ハイジって食の勉強になりますねぇ(^^♪
ほかにも登場した 白パンたち
焼き色がついていないパンがパンとして認知されたのは、”ハイジの白パン“のおかげでしょう。
各社がこぞって、似たような白パンを開発しました。
名前は「双子パン」「フォンデュ」「白いパン」などさまざまです。
今でも、パン屋さんで白パンを置いているところはまだまだあるので、一定のファンがいるのは間違いありません。
また、大手ベーカリー・コンビニパンでも白パンを見かけます。
▣パスコ(敷島製パン)…白い食卓ロール(6個入り)など
▣ヤマザキ(山崎製パン)…ふんわり食パン(1斤)、ホワイトデニッシュショコラ(1個)など
▣フジパン…ふわしろロール 北海道ミルクなど
▣セブン・イレブン(山崎製パン・敷島製パンなど)…モッチハムチーズなど
▣ローソン(フジパン・山崎製パンなど)…しっとりもっちり食感のコッペパン、白いふわふわパン、もっちチョコパン、とろーりチーズのもちもちした白いパンなど
▣ファミリーマート(フジパン・山崎製パン・敷島製パン・神戸屋など)…もっち歩き(チョコ)、パフチョコ&ダブルホイップサンドなど
焼き色がつかないパンたち
世界のパンでも昔から焼き色をつけない白パンがあります。写真のほかにはピタパンなども仲間にいれてよいと思います。
共通点は?小麦粉が白いことと、食感がサクッと軽いこと、そして何かとあわせて食べる脇役であることなどが挙げられます。
パンっていつでも脇役でいいんですが、
パン好きとしてはつい主役にしたくなってしまいます…(*´з`)
白パンを作るには?
これまでに作って載せている写真の3つのパンも、ある意味白パンです。
プチパン・ファンタジーはフランスの伝統パンのひとつなのですが、
「フランスにもこんなやわらかい白パンがあるなんて!」とパン学校で驚きました。
このあとのことは、”ハイジの白パン”のようなホワイトロールをイメージして記していきます。
⑴小麦粉は強力粉100%または薄力粉10~20%併用する
⑵砂糖は少ない方が色がつかなくて良いが、ソフトさを考えると6%くらい入れると良い
⑶砂糖の代わりに水あめやハチミツを使用することで色つきを抑制できる
⑷食塩も色つきに影響するが、甘さとのバランスを調整して標準量1.8%にする
⑸焼成温度は160℃にして、白く焼き上げる
⑹イングリッシュマフィンの場合は、ミキシングを強くし一次発酵は短くする
⑺イングリッシュマフィンの場合はイーストとBP(ベーキングパウダー)を併用するとよい
⑻捏ね上げ温度は低め(25~27℃)にする
わたしの白パン(ホワイトロール)はこちらからご覧ください↓
まとめ
世の中には「白いもの」がたくさんありますが、「白」と言いながら「白くないもの」もままあります。
もともとの製パン原料の性質や、パンとは何かを考えるときに、白パンもそうなるのではと思っていました。
「焼きあがったパンが白いなんて謎過ぎる!」と思ったこともありました。
でも、大手のパン屋さんが見事に真っ白なパンを作っているのです。企業努力ですね。
今日は「パンにも想像力が必要で固定観念は不要」「白パンはいかに色をつけないで火を通すかがポイントだよ」
「たまにはふわふわなパンも食べたいよね」というおはなしでした。
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