
今回は、明治時代からの日本のパンの歴史についてお話します。
あまりにも有名なのでもうご存じのことが多いかもしれません。
パンの歴史③では、日本に小麦が入ってきて
中国由来の蒸しパン文化からはじまったということをお話しました。
パンの歴史 明治2年創業 木村屋総本店 あんぱん

横浜をはじめとした各地での開港をきっかけに、
西欧人を相手にしたパン屋さんが増えていきました。
1868年、お侍さんたちは武士という仕事がなくなり困りました。
その一人が木村安兵衛(やすべえ)さん。そのころのパンに目を付けました。
ですが、西欧人にはウケていても、日本人は人気がないことに気づきます。
饅頭を食べ慣れていると「あんこが入ってない」パンはイマイチだったのです。
「だったらあんこを入れたパンを作ろう!」とひらめきました。
「これじゃ饅頭だ」「これじゃパンのままだ」
息子の英三郎さんと一緒に試行錯誤して遂に完成!
1874年(明治2年)に文英堂(現木村屋総本店)が創業しました。
あんパンは瞬く間に人気となりました。
1900年(明治33年) 木村屋総本店 ジャムパン

1900年(明治33年)には同じく木村屋総本店にて、ジャムパンが誕生しました。
今ではいちごジャムが主流でしょうか、木村屋さんのジャムパンはあんずです。
ほんのり苦みがあって昔ながらの味が今でも堪能できます。
パンの歴史 1909年(明治37年) 新宿中村屋 クリームパン


発祥には諸説ある甘食(あましょく)もこの明治時代にパン屋さんで誕生しました。
1909年(明治37年)には新宿中村屋さんがクリームパンを生み出します。
あんこよりも高級感のあるカスタードクリームがこれまた日本人にヒットしました!
パンの歴史 1888年(明治21年)創業 横浜元町 ウチキパン
この間にもフランス式、アメリカ式とパンの発展がありました。
1888年(明治21年)創業の横浜の老舗、
横浜ベーカリー宇千喜商店(現在のウチキパン)もそのうちの一つです。
『イングランド』という山型の食パンは創業以来ずっと人気があります。
パンの歴史 大正時代-昭和初期

この時代は戦争時代でもあるので、パンは受難を受けます。
しかし、ロール製粉(粉の機械挽き)の発展やイーストの誕生、
そしてドイツ製パン技術の導入により日本のパンは成長していきます。
また、第二次世界大戦後にアメリカから大量の小麦粉が届いたことで、
アメリカ人好みの真っ白なパンが量産されていきます。
パンの歴史 1955年~ 昭和30年代

昭和30年代には、給食にコッペパンが栄養を考えて出されるようになりました。
また、京都と浜松発祥のパン屋さんが、ビタミンパンを小型の馬車で売り
「ロバのパン屋さん」と言って全国展開し、有名になりました。
またそれよりも先に、ロバを牽いてパンを売っていた北海道;札幌の石上商店さん(昭和6年創業)は、
製パン会社ロバパンとなって現在も北海道シェアを存続しています。
ちなみに、昭和33年にチキンラーメンが誕生しています。
パンの歴史 1965年~ 昭和40年代
昭和45年には、現代によく見かける店舗と工場が一体化した
『オーブンフレッシュベーカリー』が急増します。
昭和46年には日本マクドナルド1号店が銀座に誕生します。
現在
『日本ほどパンの種類が多い国はない』と言われています。
あんパンから始まったけれど、あんパンは全く力衰えず堂々の人気パン。
木村安兵衛さん、ありがとう♪と叫ばずにいられません。
パンは今後もますます進化成長すると期待しています。

日本に生まれ育ってよかった(^^♪
今日は、「バラエティパンの始まりがあんパン、それって最強ね」というお話でした。
最後に、木村屋さんのあんパンは、20ン年とお値段がほとんど変わっていません。
ありがたい企業努力でございます…

(1990年代)

(2022年5月2日)

(2022年5月2日)
コメント