
デニッシュと言えば、デンマーク。だけどオーストリアだ!という人もいます。
そもそもデニッシュは“denish”という英語からきているので、
デンマークデニッシュと言うと、“デンマークの”がダブっていてちょっと変な名称になります。
いつからか、この不自然な呼び方をしないで“ペストリー”と組み合わせ、デニッシュ・ペストリーと呼ぶように落ち着きました。
“ペストリー(ペイストリー)”は“pastry”の英語で、小麦粉を使った焼き菓子の総称です。
例えばタルトやパイ、キッシュなどの脂肪分の多いものが、ペストリー。甘いものだけではなく、しょっぱいペストリーもあります。
かなり省略系で言うと「パンと区別されたお菓子枠」または「その生地」を指すのですが、デニッシュの名はこれと合体してデニッシュペストリーと名乗るようになりました。

ペストリーは『コーヒー・ケーキ』、
つまりコーヒーに合う最高のお供のことでもあります。
こうして、日本の菓子パンはペストリーに昇格?したのでした。
デンマークのパン


デンマークのパンというと、ついデニッシュを連想してしまいますが、
実はデンマークの食事パンはライ麦パンや白い小麦パンです。
夕食にはライ麦パン、朝食には白いパンを食べるのが一般的です。
また、スモーブローと呼ばれるオープンサンドも定番です。
これは、カジュアルなものではなく、必ずナイフとフォークでいただきます。


デンマークでもデニッシュはおやつまたは朝食です(^^♪
デニッシュペストリー

姿カタチからして食欲をそそる デニッシュペストリーは、デンマーク育ちです。
近国フランスでは”ガトー・デノワgâteau daois(デンマーク風菓子)”と呼んでいますが、
おもしろいもので本国では”ディエナ・ブロート(ウィーン風のパン)”と言います。
そう、冒頭にも挙げたように デニッシュペストリーは、オーストリア・ウィーンの職人たちによって広められ
デンマークで普及し、アメリカに伝わったものなのです。

ディエナ・ブロートは
バターを折り込んだ生地が
ウィーンで開発されたことにちなんでいます。
デニッシュの特徴

デニッシュペストリーは、生地、詰め物、トッピングの3つに特徴があります。
⑴生地…発酵したパン生地にバターを折り込んで作る
⑵詰め物…①クリームやフルーツなど甘い系②ホワイトソースやチーズなどの料理系
⑶トッピング…あんずジャムや溶かしバター、粉砂糖やアイシングなど、詰め物との相性や季節感で調整されるものもある
デニッシュペストリーの種類は数限りなくあると言っても過言ではありません。
▣クリーム…カスタード、チョコレートなど
▣フルーツ…アプリコット、チェリー、レモン、ストロベリー、スグリ、リンゴ、レーズンなど
▣その他…シナモンシュガー、ケシの実、アーモンド、シロップ、クルミ、はちみつなど
色々なデニッシュ
定番やイベント用など色々なデニッシュがあります。






デニッシュとクロワッサンとの違い

一度は「デニッシュとクロワッサンって同じなの?」と疑問に思ったこと、ありますよね?
日本では規定がないので、細かいことは言わず、「名乗ったものがソレ」になっています。
本来は、甘さや層の数などに違いがあります。
デニッシュ | クロワッサン | |
生地の甘さ | 甘い | 甘くない |
バターの量 | 60%以上 | 50%以上 |
折込み回数(層) | 72層以上 | 81層以上 |
カテゴリー | 菓子パン | 食事パン |

クロワッサンもウィーンから伝承されました!
まとめ

日本では、広島アンデルセン(1967年オープン)にて、デニッシュが販売されました。
1959(昭和34)年に、タカキベーカリーの創始者である高木俊介氏が、コペンハーゲンの朝食でデニッシュペストリー出会って感動したことがきっかけでした。
今日は「酪農国デンマークでは特産品のチーズやヨーグルトと一緒にパンを楽しんでいるよ」
「プレッツェルのような形のクリングルは、誕生日やお祝いの時に欠かせないケーキのような存在だよ」
「スモースナイルはシナモンとアイシングが特徴のうずまきデニッシュだよ」
「表面にケシがついたティビアキスは、デンマークの定番ペストリーだよ」
「日本の菓子パンの原点はこのデニッシュペストリーだったんだよ」というおはなしでした。
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