
キッシュはフランス語でQuicheと記します。
フランスでは、パン屋さんにもお菓子屋さんにも定番として必ず置いてあるお総菜です。
小ぶりなものから、大きめのホール丸ごと、そしてホールのカット売りなど色んな形があります。
フランスの食卓では、食事の準備が要らない軽食として好まれています。

キッシュは世界的に人気があります♪
日本でもちょこちょこ見かけるようになりました。
誕生

1605年ころ(16世紀)、パン作りで余ったパン生地を薄く伸ばし、卵と生クリームを混ぜ合わせて、
その生地にのせて焼いたところからキッシュは生まれました。
フランスの北西部:アルザス・ロレーヌ地方が誕生の地なので、
「キッシュ・ロレーヌ」と呼ばれることがあります。
当時のオーブンは、村の共同のパン焼き窯。
しかも、パンを焼いた後の予熱が使用されたという、とてもエコな食べ物です。

言葉の語源はロレーヌ地方の近所であるドイツ:ドイツ語の「クーヘン=菓子」だそうです。
歴史

フランス料理だと言われているキッシュですが、
実は、卵&クリームを使用したペストリーの記録が、イタリア(13世紀)でもイギリス(14世紀)でも残っています。
元々は見た目がピザのように平らで、季節によってネギを入れるくらいのシンプルなものでした。
時間の経過とともに、ヨーロッパ各地で粛々と養われたキッシュは、各地のおいしさを加えていきます。
キッシュ・ロレーヌ


なんでもかんでも「キッシュ・ロレーヌ」と呼ぶわけではありません。
アルザス地方伝統のものに対してのみ、そう呼びます。
歴史の続きですが、18世紀になってから、ブリゼ生地にアパレイユを注ぐという、厚みのある塩味のタルトに変化しました。
というわけで、本物の「キッシュ・ロレーヌ」は、
ブリゼ生地+卵&クリームのアパレイユ+ラードン(厚切りベーコン)です。
ここから変化し、豚バラ肉が入るようになったのは19世紀になってから。

ブリゼ生地とは練り込み生地で砂糖を入れないもの、
アパレイユとは、液体状の生地のことです。



キッシュ・オ・フロマージュ

そもそもチーズは必須!
それなのに、チーズのキッシュというものがあるのです。
イギリスでは主にチェダーチーズが使われていると聞きます。
ヨーロッパではミックスして濃厚なチーズを楽しむこともあります。



キッシュ・オ・シャンピニオン

シャンピニオンとはキノコのことです。
フランスでは一般的にホワイトマッシュルームのことを指します。
フロレンティーヌ


料理の場合のフロランティーヌとは、ほうれん草が入ることを意味します。
ほうれん草と一緒にチキンが入っていたり、他の野菜が入っていたりします。

サブレ生地にスライスアーモンドとキャラメルがのった焼き菓子の
「フロランタン」「フロランティン」とは名前の由来だけは同じです。

プロヴァンサル

プロヴァンスと言えばトマト!
トマトがたっぷり入った南仏らしい地中海風味たっぷりの素材で作ります。
参考:フーガスのはなし(南仏のパン&ラタトゥイユ)
スパイス・ハーブのはなし
その他いろいろ






まとめ

今日は「現在ではパイ生地を使うこともあるよ」「サーモンやツナなど魚介とも相性がいいよ」
「ブリゼ生地は薄力粉で作るよ」
「基本のアパレイユは、生クリーム(フレッシュ)+卵+塩コショウ+ナツメグ+ハム+ベーコン+玉ねぎで作れるよ」
「サラダを添えたら立派な一品になるよ」というおはなしでした。
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