
わたしはクロワッサンが大好きです。
はじめて行くパン屋さんで絶対に買うもののひとつがクロワッサンでもあります。
そして、スーパーやコンビニで買えるちょっとやわらかくてふわふわ甘い「クロワッサン」も好きです。
たまに、ホイロ後冷凍のものを買ったりもします。
ちなみに、はじめて行くパン屋さんで絶対に買うもの(クロワッサンのほかに)は、
バタール(バゲットなどフランス生地のパン)、そして食パンです。
この3つはわたしの好きなパンであり、またそのパン屋さんの特徴がだいたいわかるとみています。
クロワッサンの歴史



今ではフランスの代表パンの顔をしていますが、起源はウィーンとブタペストの2説あります。
ひとつめは、1683年のオーストリアの首都ウィーンを包囲していたトルコ軍をオーストリア軍が破りました。
ウィーンの人々が『トルコ軍の旗にあった三日月をかたどったパンを焼いて食べてしまおう!』とパンを焼いたのだというもの。
ふたつめは1686年、ブタペストを包囲したトルコ軍は、市の中心部へ侵入するために地下トンネルを掘り始めました。
足元(地下)の奇妙な音に気がついたのは、人々が寝静まった夜中にも働いていたパン職人たちです。
彼らのおかげでトルコ軍に占領されずにすんだのです!
そこで褒賞としてオスマン・トルコの旗である三日月型のパンを作る特権が与えられました。
そのクロワッサンがブタペストからウィーン、そしてフランスに伝わったというもの。
いずれにしても、フランスに伝わってきた当初のクロワッサンは現代のような層のあるクロワッサンではなかったと言います。
発酵性のある(≠パイ生地)折込み生地は、イタリア~ウィーン~デンマーク~ヨーロッパ全土~アメリカと広がっていきました。
こういった流れの中で、フランスには1914年~1920年ころにウィーンからデンマークを経て徐々に伝わって、今日のような地位を築いたと考えられています。

王妃マリー・アントワネット(1755~1793年)が
ウィーンから嫁いだ時にその製法が伝わったという説もありますよ♪
クロワッサンの種類


三日月をフランス語でcroissantと書いてクロワッサンと読みます。(発音はクコワッソンが近いかな…)
トルコ軍の旗からきたので三日月なのですが、形がちがうことってありませんか?
これは、原材料のちがいを形にあらわしています。
日本ではそのような規則がないので、もしかしたら好みで成型をしている可能性は大いにあります。
しかし、フランスでは『バター100%使用』を端を曲げないひし形、
『マーガリン100%』『バターとマーガリン混合』『その他の油脂』など
『バター100%ではないもの』を端を曲げた三日月型にしなければいけません。
参考:フランスの製パン法(パンのルール)
クロワッサンの作り方



クロワッサンはデニッシュと呼ばれているものと同等の生地で、
発酵した生地にシート状のバターを折り込む作業を数回繰り返して作ります。
リーンかリッチか?

折込み用の生地は一般的に2種類あります。
砂糖や油脂が多いリッチな生地と、砂糖や油脂が少ないリーンな生地です。
クロワッサンはリーンな生地で、デンマーク発祥のデニッシュはリッチな生地です。
(日本ではパン屋さんによってちがいます)
フランスの朝食として有名なクロワッサンは甘みが少なく、バターと粉の味を楽しみます。
クロワッサンの油脂の種類

油脂の種類は色々ありますが、バター100%がやっぱりおいしいです。
発酵バターやカルピスバターなど、クロワッサンのバターにこだわるパン屋さんは多いです。
よくあるのは、クロワッサンだけバターで、その他のデニッシュはマーガリンにするなど
クロワッサンの差別化です。
これがわたしのクロワッサンを絶対に買う理由につながっています。
バター(油脂)の折込み方法

バター(油脂)の量は、折り込む生地の重さの4分の1にします。
バターの量が多いとホイロで溶けるのでホイロ室の温度にも注意します。
折り込むバターの硬さも重要で、やわらかいと生地になじんでしまい、硬すぎると中で折れてしまいます。
ちょうどいいのは生地と同じ硬さがベストです。
《折込み回数》※折込み用の生地は発酵後冷凍庫で管理します
・伸びが良い生地…3つ折り×3回
・伸びが良くない生地…4つ折りを増やす
上記を基本に以下のように折り込みます⇓
①3つ折り×2回→休ませる(冷凍)→3つ折り×1回➡成型
②3つ折り×1回+4つ折り×1回⇒休ませる(冷凍)➡成型
③4つ折り×2回⇒休ませる(冷凍)➡成型
クロワッサンの仲間たち



フランスのパン屋さんには必ずクロワッサンと一緒に並んでいるペストリーはこの3種類!
四角い生地に棒チョコを挟んでいるパン・オ・ショコラ、
折り込んだ生地にカスタードクリームとレーズンを散らし(巻きずしのように)巻いて輪切りにしたパン・オ・レザン、
クロワッサンの上にアーモンドプードルで作ったビスキュイ生地をかけて焼く
リメイククロワッサンが*クロワッサン・ダモンドです。
*フランス語表記《croissant d‘amonde 》
クロワッサンサンド


クロワッサンはサンドウィッチにも適しています。
上から斜めに切れ目を入れて*ハム(=janbomジャンボン)とマスタード、チーズなどを挟むだけでもおいしいです。

通常のサンドウィッチでは、
野菜の水分がパンに沁み込まないためにバターを塗りますが、
クロワッサンはすでにバターが折り込まれているので、
バターの代わりにマヨネーズを塗ることをおすすめします(^^♪
クロワッサン まとめ

フランス人が毎朝クロワッサンを食べるかと言うと、そうでもありません。
やはり、クロワッサンはバゲットなどに比べると価格が高いので朝食もバゲットや袋入りの甘い食パンを選ぶ家庭は多いです。
その代わりに、たまにパン・オ・ショコラの代わりにクロワッサンに板チョコを挟んで軽くトーストをして
おやつに食べるということをホストファミリーに教えてもらって、気に入って今でもやっています。
今日は「クロワッサンはパン屋さんのこだわりを知るカギとなるよ」
「自宅での手作りクロワッサンも決して難しくはないので、キッチンのスペースを作ったらギャラリーに載せますね」というおはなしでした。

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