
日本ではイースターと呼ばれているイベント、フランス語ではPâques(パック)です。
英語ではEaster、「春の女神(Estera)」が語源だそうです。
ギリシャ語は(Πάσχα;パスカ)、スペイン語はPasqua,Pascu(パスクワ)などで
ヨーロッパ諸国はヘブライ語が語源となっているので音が似ています。
ドイツ語はちょっと違ってOstern(オースタン)です。

日本では
ユニバやディズニーリゾートでイースターイベントが開催されたり、
(今年は3年ぶりの開催ですね!)
身近なところでは
100均でイースターグッズを目にするようになりました。
イースターって何?
キリスト教の《復活祭》です。
十字架にかけられて死んだイエス・キリストが三日目に復活したことを記念・記憶する、
キリスト教においては最も(クリスマスよりも)重要とされるときです。

イースターっていつ?
移動祝日なので毎年変わります。
今年、2022年は4月17日(日)でした。そう、昨日です。
フランスではPâquesの当日は日曜日ですが、翌日の月曜日(Lundi)も祝日です。
その名が《Lundi de Pâques;ランディ ドゥ パック》(イースターの月曜日)。
はい。今日フランスのみなさんは祝日です(^^♪
イギリスではイースターの前の金曜日(グッドフライデー)に
ホットクロスバンズを食べる習慣があります。

そうなんです!
イースターには世界の伝統パンが登場するのです!
そんなわけで、イースターを採り上げずにはいられませんでした。
※2024年は3月31日です※
イースター ウサギとたまごの意味は?



《たまご》
・生命の始まりや復活の象徴
・鳥が殻を破ってこの世に誕生するように、イエス・キリストも死という殻を破ってよみがえったという意味が込められている
《うさぎ》
・繁殖率が高く、多産な動物として豊穣と生命の象徴とされている
・イースターエッグをうさぎが運んでくると言われている(サンタクロースのように夜中)
イースター その他のシンボルたち
フランスではほかにも…このようなものも見かけます↓
《鐘のチョコレート》
・こども向けの伝説
教会の鐘は通常毎日鳴らされるが、Pâques前の金曜日ー土曜日は鐘が鳴らなくなる。
なぜなら『鐘はみんなローマに行ってしまった』から。
鐘は日曜日のPâquesには卵をもって戻って来る。
(摩訶不思議なものですがこういう伝説ですので…)
《魚のチョコレート》 Poisson d’avril ポワッソンダヴリル (4月の魚)
・『4月1日は冗談を言う日』で、人の背中に紙の魚を貼るというユーモラスな風習がある。
イースターとこのPoisson d’avril (4月の魚)の時期とが重なっている。
ヨーロッパ全体ではこちらも…
《イースターブーケ》
・主にラッパスイセンやチューリップを用いたブーケ
・イースター=春の訪れ



フランスのPâques
私が留学していたノルマンディ地方、ホームステイ先では
残念ながら伝統のパンは登場しませんでした。
①『仔羊を食べる』…仔羊はイエス・キリストの象徴。
②こどもたちはエッグハント(卵型のチョコレート探し)を庭で楽しむ
③卵多めのパンBrioche(ブリオッシュ)を食べる。
南フランスではちょっと特殊なBrioche(ブリオッシュ)の伝統パン、
北フランスでは、ポーランドから伝わった
シナモンシュガー&チョコレートの伝統パン(バブカ・ド・パック)があるそうです。




北フランス
各国のイースターのパン
⑴アメリカ・イギリス・ニュージーランド・オーストラリア・カナダ…
▣ホットクロスバンズ
コリアンダー、シナモン、ナツメグ、ジンジャー、クローブなど甘くてスパイシーでリッチな味。
※イギリスでは、キリストが十字架にかけられたとされる金曜日(グッドフライデー)にこれを食べる。

⑵ギリシャ
▣Tsoureki ツリキ
三つ編みのパンのリースに赤いゆで卵をのせたパン。
※赤色はキリストの血、卵は復活を象徴している。

⑶ドイツ(オーストリア)
▣Poschweck オスターブロート
レーズン、ナッツ、レモンピールなどが入った丸い形のパンであられ糖がかかっている。
※丸い形はゴルゴダ山、Xの切り口は十字架、黄色はイエスが太陽であると意味するシンボルと言われている。


⑷ウクライナ、モルドバ
▣Kulich クルチ
砂糖漬けにした果実にアーモンド、サフラン、カルダモンで味付け、上部にアイシングしたパン。
※円柱形はゴルゴダ山、XBはロシア語でキリスト復活の意味



⑸ブルガリア、ルーマニア
▣Kozunak (cozonac) コゾナック
レーズン、ターキッシュデライト、オレンジ&レモンピール、
くるみ、ヘーゼルナッツ、バニラ、ラム酒のパン。
ロールパンにすることもある。


⑹エチオピア
▣Defo Dabo
ハチミツとスパイスで作られたやわらかいパン。
ホールケーキのような形でブラッククミンが効いている。
⑺ハンガリー
▣フーショベチ・ションカッシュ・カラチ
冬に作った豚肉のハムを巻いて焼き上げられたパン。
生地にパプリカが練りこまれている。
⑻イタリア
▣カザディエッロ
サラミ、ペコリーノチーズ、塩、コショウをドーナツ状にしたパン。
※リースの形状はいばらの冠、卵は復活の象徴。
▣イースターパネトーネ
ピスタチオを散らせたイースター用のパネトーネ
おまけ イースターのあいさつ
「Happy Easter!」
日本語もこれでいいのかもしれませんが、
強いて言うなら「イースターおめでとう!」です。
フランス語では「Joyeuses Pâques!」(ジュワイユーズ パック!)です。
ちなみに「クリスマスおめでとう!」は
「Joyeux Noël!」(ジュワイユー ノエル!)です。
似ているのにちょっと違うのは、フランス語のややこしいところで…
Pâques=女性の複数形の名詞、Noël=男性の単数形の名詞だから形容詞が変化します。

「お誕生日おめでとう!」は
「Joyeux Anniversaire!」(ジュワイユー ザニヴェルセール!)です。
まとめ
世界にはまだまだ知らないパン/知られていないパンがあります。
パンの種類や歴史とキリスト教は非常につながりがあることもわかります。

ひも解くとおもしろいので、
機会があればまた世界のイベントパンを紹介させていただきます♪
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