
クリスマスのパンの予約が始まったり、早いところでは、すでにパン屋さんの店頭に並ぶ季節になりました。
日本ではクリスマスシュトーレンやパネトーネが定着しつつありますね。
それらを含め、世界のクリスマスのパンを紹介します。
シュトーレン



シュトーレン/シュトレンはドイツの伝統的なクリスマスのパンです。
その歴史のはじまりは、1300年代で司祭へのクリスマスの贈り物からだと言われています。
ドイツ語表記ではStollen。言葉の意味は坑道(トンネル)です。
日本語のシュトーレン/シュトレンでは、発音が違うので本場では通じないらしいです(゚д゚)!
ドイツの他にオランダでもクリスマスの時季に食べられていて、
「クリスマスシュトーレン」「キリストシュトーレン」などと呼ばれています。
トンネル型にしたパン生地にはレーズン、レモンピール、オレンジピール、ナッツなどが練り込まれています。
焼き上げたパン菓子は、たっぷりの溶かしバターに漬けた後、たっぷりの粉糖をふりかけて仕上げます。
その形が"布にくるまれた幼子イエス”とか"キリストが入っていた飼い葉おけ”と言われていて、
クリスマスのアドベントの期間に、毎日少しずつスライスして食べます。
クリスマスがキリストの誕生を祝うイベントということもあり、
シュトーレンのラッピングとして、十字にリボンを結ぶのも十字架をあらわしているんだとか。

いろんな種類があります♪
①マンデルシュトーレン→マジパン入り
②ヌッスシュトーレン→ナッツ入り
③モーンシュトーレン→ケシの実入り
④クリスマスシュトーレン など
参考記事:レーズンパンのはなし
ナッツとパンのはなし
菓子パンのはなし

パネトーネ



パネトーネは伝統あるイタリアのクリスマスのパンです。
名前の由来は「トニーのパン」と言われています。
トニーさんはミラノの菓子職人の名前ですが、細かい話は諸説あります。
そんなわけで発祥はミラノ。クリスマスになると知人や親せきに贈る習慣があります。
パネトーネは専門的な製パン技術が必要です。
しかし、1900年代になると工場生産が盛んになったため、
クリスマス以外でも1年中食べられるフルーツブレッドになりました。
日持ちする理由としては、配合がリッチであることのほかに、天然発酵種の長時間発酵の熟成があります。
この天然発酵種はパネトーネ種と呼ばれ、本来は20時間以上の工程を伴います。
そのため、種継ぎがとても難しく、日本では毎回輸入しているところが多いです。

基本形は上部が半球形の円筒形で紙型に入っています。
①パネトンチーノ→およそ100gの小サイズ
②パネトーネ・マンドラルート→上面に十字のカットを入れずにトッピングシュガーを散らしたもの
③アンブローシア風→背が低く平べったいもの
クグロフ クーゲルホップフ



中央が空洞になっている釣り鐘型のふっくらしたイースト菓子のクグロフ。
フランスのアルザス地方ではクグロフと呼ばれますが、
オーストリアのクーゲルホッフ地方ではクーゲルホップフと呼ばれています。
外側に溝のついた王冠状の型で焼かれる形が特徴的で、
現在でもアルザス地方で陶器製のクグロフ型を作り続けています。
この形は、キリスト誕生の知らせを聞いて駆けつけた〝東方からきた三人の博士たちの帽子”に見立てたものと言われています。
こうして、昔からクリスマスのパンとしてお祝いの時に食べられてきましたが、
パネトーネと同じく、今ではポピュラーなパンになって庶民の朝食やおやつに食べられるようになりました。

生地はブリオッシュによく似ています。

いろいろなクリスマスのパン
この他にもある世界のクリスマスのパンを、一部ですがどうぞご覧ください。








※チョコレートのパン

※ドーナツ

サフランブレッドは、
リースやツリーの形にする国もあります。

参考記事:ドーナツのはなし
パンのスパイスとハーブのはなし
ツォップ(編みパン)のはなし
クリスマスのパン まとめ

今日は「クリスマスのパンは日持ちするものが多いよ」
「パネトーネは2kgや3Kgの大きなサイズも本場にはあるよ」
「最近ではパネトーネ種のインスタントイーストも出ているよ」
「わたしは毎年シュトーレンを作って日ごろの感謝の気持ちを届けてるよ」というおはなしでした。
参考記事:本日のパン クリスマスシュトーレン2022 ←今年も作りました!

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