
日本には、フランスの老舗ブランドのベーカリーががたくさんあります。
パンを愛する日本の”自慢のブランドベーカリー“は、パン屋巡りでも一度は行っておきたいお店ばかりです。
また、20年くらい前には必ず「パン屋さんの本」に載っていたいくつかの老舗ブランドは、
パリ本店が閉店したり、パン部門を閉じていたり…と様々な理由でなくなっています。
愛パン家として「あんなお店があったよね」と懐かしみつつ、その名を残しておこうと思います。
エディアール

赤と黒がイメージカラーで、インパクトがあるHEDIARD(エディアール)。
創業者はフェルディナン・エディアール氏で、店名はそれに由来しています。
パリの中心・マドレーヌ広場に、高級食料品専門店として本店を構えていました。
1978年に日本上陸を果たし、パンは1989年に新宿伊勢丹に登場しました。
上質な小麦粉を使用して、パリ本店のレシピを日本風にアレンジしながらも、
焼き色を濃い目に焼き上げたパンたち、それが本場パリっぽいと人気になりました。
現在は、パリ本店はおよそ160年の歴史を持って閉店(1854-2013)しましたが、日本はロイヤルホールディングスによって存続しています。
エディアールベーカリー新宿本店は新宿伊勢丹の地下1階にあります。
その他、伊勢丹新宿店7階(レストラン街)のラ・ターブル・エディアールや三越伊勢丹のエディアール通販サイトで味わうことができます。
HEDIARD(エディアール)のパン
・パンドミー…432円 ・バゲット・エディアール…400円 ・クロワッサン…270円
・パンオレザン…303円 ・シナモンアップルクリームチーズ…346円
・エディアール角食…519円など

ロイヤルホールディングスはロイヤルホストやてんや、
シェーキーズ、リッチモンドホテルなどのグループです。
ダロワイヨ

本場以上と呼ばれる味と風味のDALLOYAU(ダロワイヨ)。
パリ8区に本店があり、現在220年以上続くフランス菓子と高級総菜などの老舗ブランドです。
日本に上陸したのは1982年東京・自由が丘です。
不二家がダロワイヨとライセンス契約(現在は国内の商標権取得)を結んだことがきっかけでした。
小麦粉やイーストの量、ミキシング時間など、こだわり抜いたレシピで作られています。
特に長時間発酵の製法は有名です。
本場さながらのフランスパンの他、きめの細かい食パンたちが人気です。
ダロワイヨジャパンも40年以上経ち、全国20店舗以上に増えました。

パンの取り扱いがない店舗もあるのでご注意ください。
ダロワイヨのホームページはこちら
ダロワイヨのオンラインショップはこちら (洋菓子・サマーシュトーレンなど)
トロワグロ

フランス・リヨン近郊のロアーヌ市にある三ツ星レストラン『TROSGROS(トロワグロ)』が本店。
フランスの料理界の鬼才ピエール・トロワグロ氏と、息子のミッシェル氏がともに腕を振るったこの三ツ星レストランの味を日本でも再現させたこのお店。
1984年に開業して38年になります。
定期的にトロワグロ氏が来日して、厳しいチェックを重ねて現在に至っています。
そのチェックは品質管理・環境・材料はもちろん、製造・販売のポイントまでトロワグロ流を徹底しています。
トロワグロのパン
・バゲット…345円 ・バタール…324円 ・クロワッサン…291円
・フレンチオレザン…474円 ・オニオンブレッド…690円 ・パンオショコラ…248円

残念ながら、2022年10月2日(日)にて、
ブティックとカフェ・トロワグロの営業が終了するとアナウンスされています。
9月にはミッシェル氏が来日してイベントの予定があるそうです。
ホームページの告知を見逃さないようにしなければ!!!
参考記事:最後のトロワグロ (←閉店前に行ってきました)
フォション

パリのマドレーヌ広場一画にあるFAUCHON(フォション)本店は創業1886年から続く高級食材店です。
1980年にベーカリーが日本橋髙島屋に登場しました。
パリ本店と同じレシピと焼き方で「本店の味をそのままに」、素材も本店に近いものを使用という魅力に、並んで買うパン、並んでも買えないパンと話題になりました。
FAUCHON(フォション)のエコバックも流行りましたよね!
フランスパン、クロワッサン、パンドミー…などのポピュラーなフレンチブレッドのほかにも豊富なバリエーションがあります。

わたしは紅茶ブレッドにハマりました(^^♪
フォションのホームページはこちら
髙島屋フォションのホームページはこちら
ドゥ マゴ

パリ6区サンジェルマン・デ・プレにある、老舗カフェLES DEUX MAGOTS PARIS(レ ドゥ マゴ パリ)。
本店は1885年にカフェになる前は高級絹織物店(1812年-ビュシ通り)でした。
1990年に東京・渋谷bunkamuraにサンジェルマンによって「ベーカリードゥ マゴ(LES DEUX MAGOTS)」が登場しました。
本店にはベーカリーがなかったので、経営母体の東急フーズ(サンジェルマンの前身)が中心となって本物のヨーロピアンブレッドに近づけようと試行錯誤が繰り返されました。
フランスの伝統的なパン作りを守り、パンの風味を大切にしています。

現在は東京都(渋谷×2、二子玉)と神奈川(たまプラーザ)に4店舗あります♪
サンジェルマン/les deux Magotsのホームページはこちら
ポール

フランス北部のリール市に1889年にシャルマーユ・マイヨ氏によって創業されたPAUL(ポール)。
19世紀から5代続くアルチザンベーカリーで、厳選した素材で多種多様なパンを作っています。
パリにはチェーン店のように、たくさんPAUL(ポール)の看板を見かけます。
PAUL(ポール)の使命をうけて、日本にはレアールパスコベーカリーズ(旧パスコ東京:敷島製パン)によってPAUL(ポール)ジャパンが2011年に登場しました。
同時期にロンドン・ワシントンなど20か国に広がっています。
フランス産小麦、フランスの水、フランス産の塩を使用し、低温長時間発酵を基本製法にしており、ハード系もビエノワズリーも種類豊富で楽しめます。

系列店には一部のフォション、ペック、
ポールボキューズ、Falar(ファラール)などがあります。
老舗ブランド その他

1983年に銀座三越にオープンしたJohan(ジョアン)。
パリのJohan(ジョアン)と提携して、フランスの*ローラン・ジョアン氏の技術を受け継いで、三越百貨店と「ドンク」がタッグを組んで生まれたブランド。銀座三越が1号店です。
*ローラン・ジョアン氏=日本にフランスパンを紹介したレイモン・カルベル氏の愛弟子
現在は北から南まで約13店舗に広がっています。

深緑のJohan(ジョアン)の手提げ袋をみんな欲しがりました!
この状況をジョアン現象と呼んでいます。
この他に、LENôTRE(ルノートル)やPeltier(ペルティエ)もよく行きました。
フランス人シェフのガストン・ルノートル氏と技術提携して、1979年に日本上陸したLENôTRE(ルノートル)。
パンは完全撤退してしましたが、洋菓子は再上陸したのであのロゴを見ることができます。
1984年に日本進出したPeltier(ペルティエ)は、パリの本店(ケーキの店)も国内も全て2017年頃までに閉店しています。
ルノートルのホームページはこちら
ジョアンのホームページはこちら
老舗ブランド まとめ

今日は「老舗ブランドでも歴史に幕を閉じることがある」
「フランスの老舗ブランドを日本に定着させてくれてありがとう」
「老舗ブランドと日本のパン業界のタッグはすごい!」
「またいつか、パリのドゥ・マゴカフェに行きたいな」
「閉店前にトロワグロに行こう(食べ納め&感謝)!」というおはなしでした。





参考:パン屋さんの包装紙
パン留学③INBP~帰国編 (パン屋巡り)
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