今回は仕込み計画のはなしです。
童謡に、
あっさいっちばんはやいのは ぱんや~のおじさんっ♪
ってありますよね。
もともとの2番は、現在ではコンプライアンス的に省略されるようになってしまいましたが、
朝が早い職業として、豆腐屋さん、牛乳屋さん、新聞屋さんが登場する歌です。
起床時間 午前2:50
わたしがパン屋さんだったころの話ですが、
本当に毎朝、あの童謡の職業の人たちとすれ違っていました。
なのでよく思わず口ずさんでいた童謡です。
プチペをやっていたころの起床時間は午前2時50分でした。
ちょっと中途半端なようですが、逆算してこの時間に決めていました。
タイツの芸人さんの芸名になぞらえて、【エガ〇ラタイム】と呼んでいました。
チャンセロ(参考:帰国後のはなし~チャンセロチャンセーラ)の時は、4時に厨房(11時開店)に入っていました。
プチペの後の友人のパン屋さんの時は4時半出勤(6時開店)でした。
パン屋さんが早起きなわけ
どうしてパン屋さんは早起きなのかと言うと、
パン作りの工程、特に2回の発酵時間と最後の焼成時間が大きく影響しています。
これが、仕込み計画です。
これは、パン留学のINBPの実習(参考:パン留学INBP~帰国編)で、
実際に毎回作成して実践していたわたしの《1日の工程計画表》です。
青色=仕込み時間、黄色=分割~成型、赤色=焼成時間を現わしています。
どう組み合わせたら15時半までに全て焼きあがるか?を考えている計画表です。
(留学パン学生時代は計画表を作成して8時には仕込み開始できる7時台の登校でした。)
日本のパン屋さんの仕込み計画一例
実際の日本のパン屋さんでは、
翌朝には二次発酵が完了して焼成からスタートできるようにする発酵機や、
発酵完了したらそのままタイマーで焼成できるオーブンなどもあります。
または、生地を冷凍しておいて、解凍からスタートすることもできます。
この辺りを駆使すると、仕込み計画/出勤時間を調整できます。
仕込み計画 プチペの場合
プチペは冷凍機能/冷凍生地を使わずに、毎日粉から作っていました。
開店は朝7時でしたが、オープン時にはサンドウィッチとベーグルだけしかありません。
11時には基本的な全てのパンが焼き上がっている状態を目指していました。
そのような仕込み計画でしたので、起床は2:50になったのでした。
20ン年経った今でもたまに
あの朝の工房の仕込み光景を夢に見ます(^^♪
パン屋のおじさん
♪あっさいっちばんはやいのは ぱんや~のおじさんっ♪
この歌のせいなのでしょうか…
パン屋さんだったある時、お店に来た小さなお客さまに聞かれました。
『ねぇ、おねえさんはパン屋さんなの?』(わたし20代前半)
「ん?そうだよ。パン屋さんだよ!」
『なんでパン屋さんなのにおじさんじゃないの?』(お母さん爆笑)
「おっと!?…おねえさんのパン屋さんもいるんだよ(^^」
『いつかおじさんになるの?』と信じてもらえませんでした。 笑
同じ質問を別の子からもされたことがあります。合計3回…
そういえば、
アンパンマンのところのジャムおじさんとバタコさんは妖精なんですよね。
妖精とでも言えばよかったかなぁ…
今日は「パン屋さんの朝が早いのは、1種類のパンに*6時間以上かかるからだよ」
「仕込み計画は大事だよ」
「パン屋さんにはおじさんの他におねえさんもいるよ」というお話でした。
*短時間製法もあります。
コメント
おじさんで草