パン種とはなんでしょうか?
発酵パンをつくるにあたり、必要なのは酵母です。
その酵母に代わるのが「パン種」です。
イーストはパン種じゃないの?
まずはじめに、イーストについては発酵のはなしとして以前に少しふれました。
酵母 Yeast (イースト)とは? 植物性の微生物
空気中にある数種類の酵母の中から、特に製パン向きの種類を純粋培養したもの。
使い方:製パン時に他の材料と同時に混入する。
というわけで、イーストは「パン種」「種」ではありません。
パン作りの発展とともに生み出された便利な酵母です。
パン種ってなあに?
では「パン種」は何かというと、『イーストではなく、パンを発酵させるもの』です。
もっと具体的に説明すると…
「パン種」とは?
何種類かの天然酵母と*粉と水が混合されて、時間をおいて発酵膨張した生地状のもの
*粉は小麦粉やライ麦粉などをさします
ということで、「パン種」は天然酵母使用の生地なんです。
出来上がりの生地ではなくて、
材料としての生地というとわかりやすいでしょうか。
種ってなあに?
これは「パン種」と同じ意味で使われることが多いです。
ただし、『何をもとに酵母を作ったか?』とか
『パン生地のどの段階か?』などの分類としての表現でもあります。
それではどんな「種」があるのか、いくつか挙げてみます。
親種(おやだね)
親種とは、最初にできあがった「パン種」のことです。
初種(はつだね)とも元種(もとだね)とも呼ばれます。
そして『パン種生地を作り、その一部を分取して翌日に継いでいく』ことを《種継ぎ》と言います。
どんなもので「種」をつくるの?
ここでの「種」とは天然酵母のことです。
それでは、現代のイーストが酵母として定着する以前に遡って、酵母を見ていきたいと思います。
天然酵母 小麦
古代エジプト時代のパンの始まりを思い起こすと、「そうだったな」と納得していただけると思います。
小麦粉を水でゆるめに練ったものを放置することで、空気中のイースト菌をつかまえました。
天然酵母 白ブドウ酒のかす
古代ギリシャ時代には、ヒエの粉に白ぶどう酒を作った後のかすを混ぜ、
小麦粉を加えて1日置くことで、ブドウの皮についていたイースト菌をつかまえました。
天然酵母 干しブドウ
もっと後のフランスでは、干しブドウを1週間位浸し、その液を小麦粉に混ぜました。
干しブドウについたイースト菌をつかまえることに成功しました。
天然酵母 ジャガイモ
続いて北ヨーロッパでは、ジャガイモを潰してビールを入れることで
ビールの中に合ったイースト菌が増えるという発見がありました。
ビールはパンから生まれ、パンはビールから生まれ…ビールは「液体のパン」と呼ばれ、
このふたつの小麦から生まれたなかよし兄弟です。
サワー種
またこちらの《サワー種》は、小麦粉やライ麦粉と水を練って放置した際に
乳酸菌や酢酸菌をとりこんで、酸味と風味があるパンに仕上げる種のことをいいます。
①ホワイトサワー種…小麦粉が原料
②ライサワー種…ライ麦粉が原料 (ドイツが有名だが他にも広がった)
ホワイトサワー種
ホワイトサワー種の効果として、風味の改良と老化抑制・保存性の向上があげられます。
このほかにも中国の《老麺》、イギリスの《バーム》《ホップス種》、
《フランシスコサワー種》…などもホワイトサワー種に属します。
ライサワー種
ライサワー種の効果として、生地の改良と老化抑制・保存性の向上があげられます。
パン種 まとめ
今日はイーストと併用したり代用するパン種についてどんなものなのかを紹介しました。
昔ながらのパン酵母や、「パン種」をどのように使うかという細かいところはまた今度…
「 パン種 とイーストの両方を選べる時代に生きてるってスバラシイ!」というおはなしでした(^^♪
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