
細長いスティック状のグリッシーニ~grissini~は、クラッカーのようなカリカリした食感のパンです。
イタリアのパンとして日本でも有名になっています。
なお、イタリアでは単数ではグリッシーノ~grissino~と呼ばれます。
参考記事:《本日のパン》2022.7.8(金) グリッシーニ
NO.8グリッシーニレシピ
トリノ生まれ

イタリア北西部にあるピエモンテ州の街トリノがグリッシーニの発祥地です。
トリノオリンピック(2006年)のトリノです。
誕生の逸話として残っているのは…
17世紀後半である1679年のこと…
9歳でサヴァイア公爵になったヴィットリオ・アディーオさん。
彼が病弱だったことから、宮廷のパン職人;アントニオ・ブルネッロさんに命じられたのは
【消化に良くて繊維質を多く含むもの】でした。
これで出来たのがグリッシーニで、あっという間にそのおいしさが広がり、病人食としても用いられました。

最も古いグリッシーニは
ゲルサ~grërsa~、ルベタ~Robata~と呼ばれ
伝統パンとしてトリノのキエーリ地域に残っています。
似たようなパン

英語ではグリッシーニのことをブレッドスティック~Breadstick~と呼んでいますが、
ヨーロッパには呼び名が異なるそっくりさんがいます。
▣グレッサン~Gressan~…フランスでこう呼ばれるのはグリエールチーズがたっぷり入った細いパンです。
▣ビアシュタンゲン…ドイツではこう呼ばれています。もはやグリッシーニと区別がつきません。
グリッシーニの形状


細長いスティック状のグリッシーニに形状のルールはあるのでしょうか?
どうも細かいルールはなさそうです。
焼き上げた状態で直径0.5~1㎝くらい、長さは16~70㎝と広範囲です。
このような形状なので、横長の籠やペン立てのような器に入って出されることも多いですね。
太さは人差し指くらいのものまであります。

袋入りの工場製品は整っていますが
手作りは太さも含めて不ぞろいです
ナポレオン

フランスの皇帝ナポレオン(1769~1821)がグリッシーニを愛したという話もまた有名です。
ナポレオンはグリッシーニのことを「小さいトリノ棒~Les petits bâtons de Turin~」と呼びました。
「食べると胃腸が良くなる」と気に入っていたのですが、どれくらい好きだったかと言うと、
グリッシーニを運ぶために、パリとトリノの輸送サービスを作り上げたくらい惚れ込んでいたようです。
グリッシーニの食べ方






イタリア料理では、前菜としてだけではなくメインの食材の前やメインのお供、
ワインのおつまみとして…と割と自由な食べ方のようです。
とすると、フォカッチャやバゲットのような食事パンと思ってよさそうです。
参考:ピザのはなし
レシピ6 フォカッチャ
フランスパンのはなし
サンドウィッチのはなし
食べ方としては、バターを塗って・スープに浸して・プロシュート(生ハム)を巻いて…。
そのまま食べるときは、マナーとしてはポキポキ折りながら食べるのが正解なんだそうです。

日本人はポッキーやプリッツの感覚で
つい上からかじりついちゃいますよね…
グリッシーニの配合


このパンのジャンルは【リーン・直焼き・食事パン】です。
水分が少ないので日持ちが良いのも特徴です。
製パン方法はビガ種(イタリアの中種の種類)かストレート法です。
フランスのグレッサン~Gressan~ではバゲットと似た生地を使用すると聞きます。
基本的な使用原料はこんな感じです⇓
・フランス粉(準強力粉)
・イースト
・食塩
・油脂(オリーブオイル、ラードなど)
・水
日本でよく見るバリエーション材料⇓
・ごま ・キャラウェイシード
・バジル ・パセリ ・粉チーズ
・青のり ・桜エビ ・ケシの実
・ピーナツ ・いかすみ ・全粒粉
・カイエンヌペッパー ・コショウなど
グリッシーニ まとめ

イタリア料理のお店でグリッシーニが出てくるとテンションが上がりますし、
手作りだとますますそのお店のこだわりを感じます。
グリッシーニの生まれ故郷のピエモンテ州には、
スーパ・バルベッタ~Supa barbetta~という豚肉・鶏肉・グリッシーニを用いたスープの郷土料理があります。
今日は「以前、友人の結婚式に頼まれて大量に作った思い出があるよ」
「軽くてついポリポリ食べる手がとまらない」「単体だとおやつ感覚になっちゃう」
「日本でも工場製品が売られてるね」「塩味なので夏場にいいかもね」というおはなしでした。

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