
フィンランドのパンと聞いて何か思い浮かびますか?
最近のサウナブームや”ムーミン”、キシリトール、そしてオーロラは思い浮かんでも、
パンは日本であまり馴染みがないかもしれません。
でも、実はたくさんの種類があって、日本人からすると見慣れないタイプのパンもあり、
個人的には、ぜひとも知ってもらいたい!と思っています。
そして、いつかフィンランドのパンにもズバッとスポットが当たることを期待しています。

食文化とパン



フィンランドは寒い国なので、保存食として活用できる魚やじゃがいも料理が多いです。
調理法としては、日持ちがする塩漬けや酢漬、干したもの、燻製などが一般的ですが、スープもよく作られます。
魚のスープはミルクやクリーム仕立てにすることが多いです。
ソーセージやハム、トナカイ(!)など、肉も食べますが、魚も日本人同様に食べます。
湖が多いのでマスやサケ、ウナギ、ニシンなど新鮮な魚が多く獲れます。
フィンランド料理のひとつの特徴として、大麦やライ麦、オーツ麦などの全粒穀類が用いられます。
パンはライ麦パンがだんぜん主流です。
ライ麦の全粒粉には小麦粉に比べて、カルシウム・鉄分・カリウムなどのミネラルやビタミンB群を多く含んでいます。
野菜や果物が不足してもライ麦で補えると言われるほどで、さらに食物繊維が豊富です。
フィンランドのパンたち1

まず、同じライ麦使用のドイツパンとの違いにふれておくと、大きなところは小麦粉の配合です。
フィンランドのパンはライ麦粉中心となっています。
もちろん、きっかけなどパンの歴史では、隣接するドイツ・スウェーデン・ロシアの影響はあった(ある)と思いますが…。
おもしろいのは、パンの名前です。
ただ単にフィンランド語に馴染みがないだけなのですが、まるでおまじないのようなパンの名称にワクワクします。
▣Leipää(レイパ)→ライ麦使用のパンの総称
▣Ruis ⅼeipää(ルイスレイパ)…ライ麦パン *ルイス=ライ麦
▣Happan limppu(ハパンリンプ)…平たいナマコ型のライ麦全粒粉のパン、酸味がある
▣Peruna limppu(ペルナリンプ)…ジャガイモ入りの黒いライ麦パン、糖蜜入りで甘い、田舎パン
▣Karjalan piirakka(カレリアン・ピーラッカ)…無発酵のライ麦生地にミルク粥を包んだもの。マッシュポテトの場合もある。
*カレリアン=カレリア地方の、*ピーラッカ=「包んだ」という意味でパイのこと

リンプ=ナマコ型のもの
ただし、ペルナリンプのように
丸くてもリンプと呼ばれるものもあります。
フィンランドのパンたち2
それでは、上でも紹介したフィンランドのパンを含むパンたちをご覧ください。



(粗挽き小麦粉全粒粉のパン)

(酸味少なめのプチパン)

(ドーナツ型の平焼きパン)

(ライ麦とニンジンのパン)







まとめ

今日は「ライ麦パンはドイツパン、フランスパンだけじゃなかった!」
「フィンランドのライ麦パンは甘いものもある」「サフランで風味と黄色みを加えたパンもあるよ」
「見た目がかわいくないから日本であまりとりあげられないのかなぁ」というお話でした。
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